
マイホームの建築を考えたとき、日本を代表するハウスメーカーである積水ハウスは、多くの方にとって魅力的な選択肢の一つでしょう。
しかし、積水ハウスで家を建てることを決めても、次に大きな決断が待っています。
それは、積水ハウスの鉄骨と木造のどちらの構造を選ぶかという問題です。
鉄骨造には独自の魅力があり、一方で木造のシャーウッドにも捨てがたい特徴が存在します。
それぞれの構造にはどのような違いがあり、価格や坪単価、そして耐震性や断熱性といった住宅性能にどう影響するのでしょうか。
また、間取りの自由度やデザイン、さらには将来のメンテナンスや固定資産税といった長期的な視点での比較も欠かせません。
後悔しない家づくりのためには、これらの性能や特徴を深く理解し、自身のライフスタイルや価値観に合った選択をすることが重要になります。
この記事では、積水ハウスの鉄骨と木造の比較を行い、それぞれのメリット・デメリットから、評判、そして賢い選び方まで、あなたの疑問や悩みを解決するための情報を網羅的に解説していきます。
構造の違いがもたらす性能差や、どちらがあなたの理想の住まいを実現できるのか、じっくりと見極めていきましょう。
- 積水ハウスの鉄骨と木造の基本的な構造の違い
- 気になる価格や坪単価の比較
- 耐震性や断熱性といった住宅性能の差
- 間取り設計における自由度の違い
- 鉄骨造・木造それぞれのメリットとデメリット
- 固定資産税やメンテナンス、寿命に関する情報
- あなたに最適な構造の選び方のヒント
新築一戸建てを検討中なら、タウンライフ家づくりで気になるハウスメーカーを比較・検討してみませんか?
「資金計画」「間取りプラン」「土地探し」を複数社で比較し、無料で計画書を作成・提案してもらえます。
\40万人以上の利用実績あり/
- チャットで質問に回答(約3分)
- 気になるハウスメーカーを選ぶ(1,130社以上)
- 無料で間取りプランと見積りが届く♪
\300万円以上の値引き実績あり/
目次
積水ハウスの鉄骨と木造の基本的な違いを徹底比較
- 構造(シャーウッド等)による特徴の違い
- 価格や坪単価はどちらが高いのか
- 耐震性で比較するそれぞれの強み
- 重要な断熱性に差はうまれるか
- 間取りの自由度が高いのはどっち?
構造(シャーウッド等)による特徴の違い
積水ハウスで家を建てる際に、まず理解すべき最も基本的な点が、鉄骨造と木造の構造そのものの違いです。
これらは単に素材が違うというだけでなく、工法やそれによって生まれる空間の特性、デザインの方向性にも大きく関わってきます。
積水ハウスの鉄骨と木造、それぞれの構造について詳しく見ていきましょう。
積水ハウスの鉄骨造
積水ハウスの鉄骨住宅は、主に軽量鉄骨を柱や梁に使用した「システムラーメン構造」が採用されています。
ラーメン構造とは、柱と梁を強固に接合することで、筋交いや耐力壁を必要としない強靭な構造体のことです。
これにより、広々とした空間や大きな窓を設けることが可能になります。
積水ハウスでは、この鉄骨システムをさらに進化させ、いくつかの商品ラインナップを展開しています。
例えば、1階と2階で柱の位置をずらせる「フレキシブルβシステム」や、より設計の自由度を高めた「ダイナミックフレーム・システム」などがあります。
これらのシステムは、柱の位置に縛られない自由なプランニングを可能にし、吹き抜けやビルトインガレージといった、開放感が求められる設計を得意とします。
部材は工場で精密に生産され、現場での施工品質が安定しやすいというのも大きな特徴です。
積水ハウスの木造「シャーウッド」
一方、積水ハウスの木造住宅は「シャーウッド」というブランド名で展開されています。
シャーウッドは、一般的な木造軸組工法とは一線を画す、積水ハウス独自の「シャーウッド構法」を採用しているのが最大の特徴です。
この構法は、柱や梁といった構造材に強度の高いラミネートウッド(集成材)を使用し、基礎と柱を独自の金具で強固に連結します。
さらに、最大の特徴は「MJ(メタルジョイント)接合システム」と呼ばれる独自の接合方法です。
従来、木造住宅の接合部は職人の技術に頼る部分が大きかったのですが、このシステムでは工場で精密加工された金物を介して構造材を接合するため、高い精度と強度を実現しています。
これにより、木造でありながらもラーメン構造のような強靭さを持ち、耐力壁に頼ることなく、鉄骨造に迫るほどの広い開口部や自由な空間設計を可能にしているのです。
木の温もりや質感を活かしながら、モダンで開放的なデザインを実現できるのがシャーウッドの魅力と言えるでしょう。
構造の違いまとめ
両者の違いをまとめると、以下のようになります。
項目 | 鉄骨造 | 木造(シャーウッド) |
---|---|---|
主な構造 | 軽量鉄骨システムラーメン構造 | シャーウッド構法(MJ接合システム) |
使用部材 | 軽量鉄骨、高強度な鋼材 | ラミネートウッド(集成材) |
特徴 | 工場生産による品質の安定、大開口・大空間の設計が得意 | 独自の金物接合による高強度・高精度、木の質感を活かせる |
得意なデザイン | モダン、シャープ、ダイナミックな空間 | 温かみのあるデザイン、和モダン、自由度の高い設計 |
このように、積水ハウスの鉄骨と木造は、それぞれが独自の先進技術によって高いレベルの性能を誇っています。
どちらを選ぶかは、どのような住空間を理想とするか、デザインの好みはどちらか、といった点をじっくり考えることから始まります。
価格や坪単価はどちらが高いのか
家づくりにおいて、最も気になる要素の一つが価格や坪単価でしょう。
積水ハウスの鉄骨と木造では、どちらがより高価なのでしょうか。
ここでは、その価格差や坪単価の傾向について詳しく解説します。
一般的な価格傾向
結論から言うと、一般的には木造の「シャーウッド」の方が、鉄骨造よりも価格が高くなる傾向にあります。
これは少し意外に思われるかもしれません。
通常、ハウスメーカーによっては鉄骨造の方が高価なケースも多いからです。
積水ハウスにおいてシャーウッドが高価になる理由としては、独自の「シャーウッド構法」に用いられる高品質な部材や、複雑な加工技術にコストがかかる点が挙げられます。
特に、構造の要となるMJ(メタルジョイント)接合システムなどは、高い精度が求められるため、その分費用に反映されると考えられます。
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。
家の価格は、建物の大きさ(坪数)、採用する設備(キッチン、バスルームなど)、内外装の仕様、設計の複雑さなど、さまざまな要因によって大きく変動します。
そのため、鉄骨造でもハイグレードな仕様を選んだり、複雑な設計にしたりすれば、シャーウッドの価格を上回るケースも十分にあり得ます。
坪単価の目安
積水ハウスの坪単価は、日本のハウスメーカーの中でもトップクラスに位置します。
具体的な坪単価は、前述の通り仕様やプランによって大きく異なりますが、おおよその目安としては以下のようになります。
- 鉄骨造(イズ・ロイエシリーズなど):坪単価 90万円~130万円程度
- 木造(シャーウッド):坪単価 95万円~150万円程度
繰り返しになりますが、これはあくまで目安の価格帯です。
例えば、フラッグシップモデルである鉄骨の「イズ・ステージ」や、木造の「ザ・グラヴィス」などを選ぶと、坪単価はさらに高くなります。
最終的な建築費用は、本体工事費に加えて、付帯工事費(外構、地盤改良など)や諸経費(登記費用、ローン手数料など)がかかることも忘れてはいけません。
総額でいくらになるのかを把握するためには、必ず複数のプランで見積もりを取り、詳細な内訳を確認することが重要です。
価格差の理由と考えるべきこと
価格差が生まれる背景には、構造部材のコストだけでなく、それに伴う基礎工事の違いなども影響しています。
例えば、重量のある鉄骨造を支えるためには、より強固な基礎が必要になる場合があります。
家づくりを検討する際は、単純な坪単価の比較だけでなく、なぜその価格になるのかを理解し、自分たちが家に求める価値と予算のバランスを考えることが大切です。
初期費用だけでなく、後述する固定資産税やメンテナンスコストといった、長期的な視点でのランニングコストも考慮に入れて、総合的に判断することが後悔しない選択につながるでしょう。
まずは展示場に足を運び、それぞれのモデルハウスの雰囲気や仕様を体感しながら、資金計画について相談してみることをお勧めします。
耐震性で比較するそれぞれの強み
日本は地震大国であり、家を建てる上で耐震性は最も重視すべき性能の一つです。
積水ハウスは、業界トップクラスの耐震技術を誇り、その安全性は高く評価されています。
では、積水ハウスの鉄骨と木造では、耐震性にどのような違いや特徴があるのでしょうか。
どちらも最高レベルの安全性を確保していることを前提に、それぞれの強みを比較してみましょう。
積水ハウス共通の制震システム「シーカス」
まず、積水ハウスの耐震性を語る上で欠かせないのが、独自の地震動エネルギー吸収システム「シーカス(SHEQAS)」です。
これは、地震の揺れを熱エネルギーに変換して吸収する特殊なダンパーで、建物の変形を最大で2分の1に抑える効果があります。
地震発生時の建物の損傷を防ぐだけでなく、繰り返す余震にも強いのが特徴です。
このシーカスは、鉄骨造・木造(シャーウッド)のどちらにも標準で搭載されており、積水ハウス全体の高い耐震性の基盤となっています。
鉄骨造の耐震性:「しなやかさ」で揺れをいなす
鉄骨造の最大の強みは、鉄という素材が持つ「靭性(じんせい)」、つまり粘り強さにあります。
鉄は大きな力が加わっても折れずにしなやかに変形し、元の形に戻ろうとする性質を持っています。
積水ハウスの鉄骨住宅は、この鉄の特性を活かしたラーメン構造により、地震のエネルギーを建物全体で柔軟に受け止め、しなやかに揺れることで力を逃がします。
イメージとしては、柳の木のように揺れを「いなす」ことで、構造体へのダメージを最小限に抑える考え方です。
シーカスが揺れを吸収し、強靭な鉄骨フレームが建物を支えるという二段構えで、巨大地震から暮らしを守ります。
特に、柱のない大空間でも高い耐震性を確保できるのは、鉄骨造ならではのメリットと言えるでしょう。
木造(シャーウッド)の耐震性:「剛性」で揺れに耐える
一方、木造のシャーウッドは、鉄骨造とは異なるアプローチで高い耐震性を実現しています。
シャーウッドの強さの秘密は、その「剛性」、つまり硬さや強固さにあります。
基礎と構造体を一体化させ、独自のMJ(メタルジョイント)接合システムで柱や梁をがっちりと連結することで、地震の揺れに対しても建物が変形しにくい、非常に強固な箱(モノコック構造)を形成します。
こちらは、揺れに対して「耐える」ことで安全性を確保する考え方です。
もちろん、シャーウッドにもシーカスが搭載されているため、ただ固いだけでなく、揺れのエネルギーを吸収するしなやかさも兼ね備えています。
木造でありながら、一般的な在来工法とは比較にならないほどの安心感を実現しているのが、シャーウッドの耐震性です。
どちらも最高等級、違いは「揺れの質」
結論として、積水ハウスの鉄骨と木造は、どちらも国の定める耐震等級で最高の「3」をクリアしており、耐震性能そのものに優劣はありません。
どちらを選んでも、地震に対する安全性は国内最高水準にあると考えてよいでしょう。
両者の違いは、地震の揺れに対するアプローチの違い、つまり「揺れの質」にあります。
鉄骨はしなやかに揺れて力を逃がし、木造はがっしりと構えて揺れに耐える、というイメージです。
これはどちらが良いという問題ではなく、思想の違いであり、最終的には好みの問題とも言えます。
積水ハウスでは、実物大の建物を使った振動実験を公開しており、その映像を見ることで、それぞれの揺れ方の違いを視覚的に理解することができます。
一生の安全に関わる部分だからこそ、こうした情報も参考にしながら、納得のいく選択をしてください。
重要な断熱性に差はうまれるか
夏の厳しい暑さや冬の凍えるような寒さを和らげ、一年を通して快適な室内環境を保つために、住宅の断熱性は非常に重要です。
また、断熱性は快適性だけでなく、冷暖房効率を高め、光熱費を削減する省エネ性能にも直結します。
では、積水ハウスの鉄骨と木造では、断熱性にどのような違いがあるのでしょうか。
断熱性の基本と「熱橋(ヒートブリッジ)」の問題
住宅の断熱性を考える上で、壁の中に入れる断熱材の性能はもちろん重要ですが、それだけでは十分ではありません。
特に鉄骨造の場合に課題となるのが「熱橋(ヒートブリッジ)」です。
鉄は木材に比べて熱を伝えやすい性質(熱伝導率が高い)を持っています。
そのため、外壁を貫通する鉄骨の柱や梁が、外の暑さや寒さを室内に伝えてしまう「熱の橋渡し」をしてしまう現象が起こり得ます。
この熱橋があると、いくら高性能な断熱材を使っても、その部分から熱が逃げてしまい、断熱効果が大きく損なわれてしまいます。
したがって、鉄骨住宅の断熱性を高めるには、この熱橋対策が極めて重要になります。
積水ハウスの鉄骨造の断熱対策
積水ハウスでは、この熱橋問題を解決するために、独自の断熱仕様を開発しています。
代表的なのが「ぐるりん断熱」と呼ばれる工法です。
これは、床・壁・天井を断熱材で隙間なく包み込むだけでなく、熱橋となりやすい鉄骨の柱の外側にも断熱材を施工することで、熱の伝わりをシャットアウトするものです。
建物全体を魔法瓶のようにすっぽりと断熱材で覆うことで、鉄骨造の弱点を克服し、非常に高い断熱性能を実現しています。
さらに、窓には高性能な断熱サッシや複層ガラスを採用し、開口部からの熱の出入りも徹底的に防いでいます。
木造(シャーウッド)の断熱性
一方、木造のシャーウッドは、構造材である木材そのものが鉄に比べて熱を伝えにくいという、断熱上有利な特性を持っています。
熱橋のリスクが元々低いため、鉄骨造ほど特別な対策をせずとも、高い断熱性を確保しやすいのがメリットです。
シャーウッドでは、壁の中に高性能なグラスウールなどの断熱材を隙間なく充填する「充填断熱」を基本としています。
積水ハウスは施工精度が非常に高いため、断熱材の性能を最大限に引き出すことができます。
もちろん、シャーウッドでも鉄骨造と同様に、開口部の断熱性能にもこだわり、建物全体の断熱性を高めています。
オプションでさらに高性能な断熱仕様を選ぶことも可能です。
結論:どちらも高いレベルの断熱性能
積水ハウスの鉄骨と木造を比較すると、構造上の特性から断熱のアプローチは異なります。
鉄骨造は熱橋対策に工夫を凝らし、木造は木材の特性を活かしています。
しかし、最終的に達成される断熱性能については、両者に大きな差はなく、どちらも業界トップクラスの高いレベルにあります。
国が定める断熱等性能等級においても、標準仕様で高い等級をクリアしています。
どちらの構造を選んでも、夏は涼しく冬は暖かい、快適で省エネな暮らしが期待できるでしょう。
ただし、より高い断熱性を求める場合は、窓の仕様をグレードアップしたり、付加断熱のオプションを追加したりすることも可能です。
設計担当者と相談しながら、予算と求める性能に応じて最適な仕様を決定していくことが大切です。
間取りの自由度が高いのはどっち?
自分たちのライフスタイルに合わせた、理想の間取りを実現できるかどうかは、家づくりにおける大きな関心事です。
柱や壁の位置に制約があれば、思い描く空間づくりは難しくなります。
積水ハウスの鉄骨と木造では、間取りの自由度にどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの構造が得意とする空間設計について比較してみましょう。
鉄骨造の圧倒的な「大空間・大開口」
間取りの自由度という点で、一般的に強みを発揮するのは鉄骨造です。
積水ハウスの鉄骨住宅は、強靭なラーメン構造を採用しているため、室内に耐力壁や筋交いを必要としません。
これにより、以下のような設計が可能になります。
- 柱のない大空間:リビングとダイニング、キッチンを一体化させた30畳以上の広大なLDKや、大きな吹き抜けを設けることが容易です。視線を遮るものがない、開放感あふれる空間が実現できます。
- 大きな窓(大開口):壁一面をガラス張りにするような、ダイナミックな窓の設計も可能です。庭とのつながりを重視したり、素晴らしい景色を室内に取り込んだりすることができます。
- フレキシブルな設計:独自の「フレキシブルβシステム」などにより、1階と2階で柱の位置を自由にずらすことができます。これにより、1階に大きなビルトインガレージを設け、その上に居室を配置するといった、複雑なプランにも柔軟に対応できます。
空間をダイナミックに、そしてフレキシブルに使いたいという要望があるならば、鉄骨造は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
木造(シャーウッド)の進化した「設計自由度」
では、木造のシャーウッドは間取りの自由度が低いのかというと、決してそんなことはありません。
積水ハウス独自のシャーウッド構法は、従来の木造住宅のイメージを覆す高い設計自由度を誇ります。
その理由は、構造の強さを担うMJ(メタルジョイント)接合システムにあります。
この強固な接合部のおかげで、シャーウッドも耐力壁への依存度が低く、木造でありながら鉄骨造に近い開放的な空間をつくることが可能です。
例えば、LDKを一体化させた広い空間や、大きな窓を設けることも十分に実現できます。
しかし、鉄骨造と比較した場合、いくつかの制約が出てくる可能性はあります。
例えば、鉄骨造で可能な「柱間を最大スパンまで飛ばす」ような超大空間の設計や、壁一面を窓にするといった極端なプランは、木造では難しい場合があります。
とはいえ、一般的な住宅で求められるレベルの開放感や間取りの自由度は、シャーウッドでも十二分に満たすことができると言えます。
むしろ、木の柱や梁をデザインの一部として見せる「現し」にすることで、木造ならではの温かみのある空間を演出できるのは、シャーウッドならではの魅力です。
結論:得意な空間づくりが異なる
結論として、積水ハウスの鉄骨と木造の間取り自由度を比較すると、以下のようになります。
項目 | 鉄骨造 | 木造(シャーウッド) |
---|---|---|
最大の特徴 | 圧倒的な大空間・大開口 | 木造の常識を超える高い設計自由度 |
得意なプラン | 広大なLDK、大きな吹き抜け、ビルトインガレージ | 木の質感を活かした開放的な空間、柔軟なプランニング |
優位性 | 制約の少なさ、ダイナミックさで優位 | 一般的な要望には十分応えられ、木ならではの魅力も付加できる |
どちらの構造を選ぶにせよ、積水ハウスの設計力は非常に高いため、他社では実現が難しいような要望にも応えてくれる可能性は高いです。
自分たちが実現したい空間のイメージを具体的に持ち、それが鉄骨と木造のどちらでより良く実現できるのかを、設計担当者とじっくり相談することが、理想の家づくりへの近道となるでしょう。
新築一戸建てを検討中なら、タウンライフ家づくりで気になるハウスメーカーを比較・検討してみませんか?
「資金計画」「間取りプラン」「土地探し」を複数社で比較し、無料で計画書を作成・提案してもらえます。
\40万人以上の利用実績あり/
- チャットで質問に回答(約3分)
- 気になるハウスメーカーを選ぶ(1,130社以上)
- 無料で間取りプランと見積りが届く♪
\300万円以上の値引き実績あり/
後悔しないための積水ハウスの鉄骨と木造の選び方
- 鉄骨のメリットとデメリットを解説
- 木造のメリットとデメリットとは
- 固定資産税に違いは出るのか
- 10年後を見据えたメンテナンスと寿命
- あなたに合う積水ハウスの鉄骨と木造の選び方とは
鉄骨のメリットとデメリットを解説
ここまで積水ハウスの鉄骨と木造の様々な違いを比較してきましたが、ここでは改めてそれぞれのメリットとデメリットを整理します。
まずは鉄骨造から見ていきましょう。
これらの点を総合的に理解することで、自分たちの家づくりに鉄骨造が合っているかどうかを判断する材料になります。
鉄骨造のメリット
積水ハウスの鉄骨造が持つ主なメリットは、以下の通りです。
- 品質の安定性:柱や梁などの主要な構造部材は、徹底した品質管理のもとで工場生産されます。そのため、現場の天候や職人の技術力に左右されにくく、常に安定した高品質な住宅を供給できるのが大きな強みです。
- 工期の短縮:部材が工場でプレカットされているため、現場での作業が効率化され、木造に比べて工期が短くなる傾向があります。早く新居での生活をスタートさせたい方にはメリットとなります。
- 設計の自由度(大空間・大開口):前述の通り、ラーメン構造の特性を活かし、柱の少ない広々としたLDKや、壁一面の大きな窓といった、ダイナミックで開放的な空間設計を得意とします。
- 耐震性の高さ:鉄のしなやかさと粘り強さを活かし、地震のエネルギーを吸収する制震システム「シーカス」と組み合わせることで、非常に高いレベルの安全性を確保しています。
- シロアリ被害のリスクが低い:構造体が鉄であるため、木材を食害するシロアリの直接的な被害を受ける心配がありません。ただし、壁内の断熱材や内装材に木材が使われているため、対策が全く不要というわけではありません。
鉄骨造のデメリット
一方で、鉄骨造には以下のようなデメリットや注意点も存在します。
- コストが高めになる傾向:一般的に、木造に比べて建築コストが高くなる傾向があります。部材そのものの価格や、建物の重量を支えるための強固な基礎が必要になることなどが理由です。
- 熱橋対策の重要性:鉄は熱を伝えやすいため、適切な熱橋対策が施されていないと、断熱性能が低下したり、壁内結露の原因になったりします。積水ハウスでは「ぐるりん断熱」などで対策されていますが、その分コストにも反映されます。
- 固定資産税が高くなる可能性:建物の評価額は、木造よりも鉄骨造の方が高く評価されるため、一般的に固定資産税は高くなる傾向にあります。
- 「木の温もり」は得にくい:当然ながら、構造体そのものに木材の持つ温かみや質感はありません。内装で木材を多用することは可能ですが、構造からくる本質的な温もりを重視する方には不向きかもしれません。
- リフォームの制約:強固なラーメン構造であるため、将来的に間取りを大きく変更するような大規模なリフォームを行いたい場合、構造上の制約を受ける可能性があります。
これらのメリット・デメリットを天秤にかけ、自分たちの優先順位を明確にすることが重要です。
例えば、何よりも開放的な大空間を優先したいのであれば鉄骨造が適していますし、コストや木の質感を重視するなら他の選択肢を検討する必要があるでしょう。
木造のメリットとデメリットとは
次に、積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」のメリットとデメリットを整理してみましょう。
日本の伝統的な建築手法を進化させたシャーウッドならではの魅力と、考慮すべき点について解説します。
木造(シャーウッド)のメリット
シャーウッドが選ばれる理由となる、主なメリットは以下の通りです。
- 木の温もりと質感:最大の魅力は、やはり木が持つ独特の温かみ、やさしい手触り、そして心地よい香りです。構造材をデザインとして見せる「梁現し」など、木造ならではの落ち着きと安らぎのある空間を創り出せます。
- 高い設計自由度:独自の「シャーウッド構法」により、従来の木造のイメージを覆す高い設計自由度を実現しています。鉄骨造ほどではないにせよ、開放的なLDKや大きな窓など、柔軟なプランニングが可能です。
- 優れた断熱性:木材は鉄に比べて熱伝導率が低く、断熱材との相性も良いため、高い断熱性能を発揮しやすい構造です。夏涼しく冬暖かい、快適な住環境を実現できます。
- 日本の気候風土への適合性:木材には、湿気が多いときには水分を吸収し、乾燥しているときには水分を放出する「調湿作用」があります。高温多湿な日本の気候に適した素材と言えるでしょう。
- 固定資産税が比較的安い:一般的に、建物の評価額は鉄骨造よりも木造の方が低くなるため、固定資産税も安くなる傾向があります。長期的なランニングコストを抑えたい場合に有利です。
木造(シャーウッド)のデメリット
一方で、シャーウッドにもデメリットや注意すべき点が存在します。
- コストが高価:積水ハウスの中では、シャーウッドは高級ラインに位置づけられており、鉄骨造よりも建築費用が高くなる傾向があります。独自の高品質な部材や加工技術がその理由です。
- シロアリ対策が必須:木造である以上、シロアリ対策は欠かせません。積水ハウスでは入念な防蟻処理が施され、長期保証もありますが、定期的な点検やメンテナンスは必要になります。
- 職人の技術力への依存(シャーウッドの場合の解決策):一般的に木造住宅は現場での施工が多く、職人の腕によって品質が左右されやすいと言われます。しかし、シャーウッドの場合は、構造部材の工場生産とMJ接合システムの採用により、このデメリットを克服し、安定した品質を確保しています。
- 超大空間設計の限界:高い設計自由度を誇るシャーウッドですが、鉄骨造で可能なレベルの、柱が一本もない数十畳の超大空間や、極端に大きな開口部の設計には限界がある場合があります。
シャーウッドを選ぶということは、木の持つ本質的な魅力を享受する一方で、その特性を維持するためのメンテナンスを受け入れるということでもあります。
コスト面でのハードルはありますが、それを上回る価値を木の家に感じる方にとっては、最高の選択肢となるでしょう。
固定資産税に違いは出るのか
家を所有すると毎年かかってくる税金が「固定資産税」です。
これは、土地と建物それぞれに課税されるもので、見落としがちですが、数十年にわたる長期的な支出となるため、家づくりの計画段階で考慮しておくべき重要な要素です。
では、積水ハウスの鉄骨と木造では、この固定資産税に違いは出るのでしょうか。
固定資産税の計算方法
まず、建物の固定資産税がどのように計算されるかを簡単に理解しておきましょう。
計算式は以下の通りです。
建物の固定資産税額 = 課税標準額(固定資産税評価額) × 税率(標準1.4%)
税率は市町村によって異なる場合がありますが、重要なのは「課税標準額」、つまり建物の評価額です。
この評価額は、建築費そのものではなく、「再建築費評点基準表」という国が定めた基準に基づいて、市町村の調査員が評価して決定します。
簡単に言えば、「同じ建物を今もう一度建てたらいくらかかるか」という考え方で、使用されている資材や設備によって点数が付けられ、評価額が算出されます。
構造による評価額の違い
ここが重要なポイントですが、「再建築費評点基準表」では、建物の構造によって基準となる点数が異なります。
具体的には、以下のように評価されます。
鉄骨造 > 木造
つまり、他の条件(面積や設備など)が全く同じであれば、木造よりも鉄骨造の方が建物の評価額は高くなります。
これは、鉄骨造の方が木造に比べて資材コストが高く、頑丈で長持ちすると評価されるためです。
したがって、結論としては「積水ハウスの鉄骨と木造では、鉄骨造の方が固定資産税は高くなる傾向がある」ということになります。
どのくらいの差が出るのか?
では、実際にどのくらいの差額になるのでしょうか。
これは建物の規模や仕様によって大きく異なるため一概には言えませんが、年間で数万円程度の差になることが多いようです。
年間数万円と聞くと小さく感じるかもしれませんが、これが10年、20年、30年と積み重なると、数十万円から100万円以上の差になる可能性もあります。
もちろん、建物の評価額は構造だけで決まるわけではありません。
豪華なキッチンやバスルーム、全館空調、太陽光発電システムといったハイグレードな設備を採用すれば、その分評価額は上がります。
そのため、木造でも豪華な仕様にすれば、シンプルな仕様の鉄骨造より評価額が高くなることもあり得ます。
長期的な視点で考えよう
固定資産税の違いは、家づくりの選択を決定づけるほどの大きな要因ではないかもしれません。
しかし、初期の建築費用だけでなく、こうした長期的なランニングコストも存在することを理解しておくことは、後悔しない資金計画を立てる上で非常に重要です。
鉄骨造のメリット(大空間など)と、固定資産税が少し高くなるという点を天秤にかけ、自分たちの価値観に合った選択をすることが大切です。
具体的な税額が気になる場合は、積水ハウスの営業担当者に、同じような規模・仕様の鉄骨と木造で、固定資産税がどのくらい変わるかの概算を聞いてみるのも良いでしょう。
10年後を見据えたメンテナンスと寿命
建てて終わりではないのが家づくりです。
長く快適に、そして安全に住み続けるためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが不可欠です。
また、建物の寿命がどのくらいなのかも気になるところでしょう。
積水ハウスの鉄骨と木造における、メンテナンスと寿命について解説します。
建物の寿命と法定耐用年数
まず、「寿命」についてですが、税法上の資産価値を示す「法定耐用年数」と、実際に建物が使用に耐えうる「物理的な寿命」は異なります。
- 法定耐用年数:木造は22年、軽量鉄骨造(骨格材の厚さによる)は27年または34年と定められています。これはあくまで税務上の減価償却のための年数であり、この年数が来たら住めなくなるわけではありません。
- 物理的な寿命:適切なメンテナンスを行えば、積水ハウスのような高品質な住宅は、鉄骨・木造を問わず、50年、60年、あるいはそれ以上長く住み続けることが可能です。
重要なのは、法定耐用年数に惑わされず、定期的なメンテナンスを計画的に行うことだと言えるでしょう。
主なメンテナンス項目と時期の目安
建物のメンテナンスは、主に風雨や紫外線にさらされる外装部分から必要になってきます。
鉄骨造と木造で共通する部分と、異なる部分があります。
メンテナンス項目 | 鉄骨・木造共通 | 木造特有 | 目安時期 |
---|---|---|---|
外壁塗装・シーリング打ち替え | ○ | - | 15年~30年 ※ |
屋根の防水・塗装 | ○ | 15年~30年 ※ | |
防蟻(シロアリ)処理 | △(基礎周りなど) | ○(必須) | 10年ごと |
バルコニー防水 | ○ | - | 10年~15年 |
※外壁材や屋根材の種類によってメンテナンス周期は大きく異なります。積水ハウスのオリジナル外壁「ダインコンクリート」や「ベルバーン」は、塗装の再メンテナンスが長期間不要なものもあり、初期費用は高くてもランニングコストを抑えられる場合があります。
構造によるメンテナンスの違い
鉄骨造と木造の大きな違いは、やはり「シロアリ対策」です。
木造のシャーウッドは、構造体が木材であるため、定期的な防蟻処理の再施工が不可欠です。
これを怠ると、建物の耐久性に深刻なダメージを与える可能性があります。
一方、鉄骨造は構造体がシロアリの食害を受けることはありませんが、基礎の断熱材や内装の下地材などが被害にあう可能性はゼロではないため、点検は重要です。
また、鉄骨造は錆対策が重要ですが、積水ハウスでは非常に高いレベルの防錆処理が施されているため、通常の使用環境で構造体が錆びる心配はほとんどないと考えてよいでしょう。
積水ハウスの長期保証「ユートラスシステム」
積水ハウスでは、引き渡し後30年間の長期保証制度を設けています。
これは、定期的な点検(無料)を受けることで保証が継続されるシステムです。
保証期間が終了した後も、有料のメンテナンス工事を行うことで、さらに保証を延長することが可能です。
こうした手厚いアフターサポート体制は、ハウスメーカーを選ぶ上での大きな安心材料になります。
鉄骨と木造、どちらを選ぶにせよ、この保証システムをうまく活用し、計画的にメンテナンスを行うことが、資産価値を維持し、長く快適に住み続けるための鍵となります。
あなたに合う積水ハウスの鉄骨と木造の選び方とは
これまで、積水ハウスの鉄骨と木造について、構造、価格、性能、メンテナンスなど、様々な角度から比較してきました。
どちらも非常に高いレベルで作りこまれた、素晴らしい住宅であることは間違いありません。
では、最終的にあなたはどちらを選ぶべきなのでしょうか。
この最後の章では、これまでの情報を総括し、後悔しないための選び方のポイントを提案します。
何を最も重視するか?価値観を明確にする
最適な選択をするための第一歩は、「自分たちが家に対して何を最も求めているのか」という価値観を明確にすることです。
以下に、重視するポイントごとにおすすめの構造をまとめました。
- 空間の開放感を最優先したい → 鉄骨造
柱のない広大なLDK、大きな吹き抜け、壁一面の大開口など、ダイナミックで開放的な空間に強い憧れがあるなら、鉄骨造がその夢を叶えてくれる可能性が高いです。モダンでシャープなデザインを好む方にも適しています。 - 木の温もりと質感を大切にしたい → 木造(シャーウッド)
性能や広さも大事だけど、それ以上に「木の家」が持つ独特の安らぎや温かみ、心地よさを重視したいという方には、シャーウッドが最高の選択肢となるでしょう。日本の伝統的な美意識や、自然素材の持つ魅力を感じたい方におすすめです。 - 初期費用とランニングコストのバランスを取りたい → 要相談
単純に「鉄骨が高い」「木造が高い」と決めつけず、両方で見積もりを取ることが重要です。初期費用は鉄骨の方が安く済んでも、固定資産税は高くなる傾向があります。逆にシャーウッドは初期費用が高めでも、固定資産税は抑えられます。外壁材の選択によってメンテナンスコストも変わるため、トータルコストで比較検討する必要があります。 - 耐震性や断熱性はどちらも最高レベル
耐震性や断熱性といった基本性能については、どちらを選んでも国内最高水準です。性能面での優劣で決めるというよりは、他の要素で判断するのが良いでしょう。地震の揺れ方(しなやかな鉄骨か、剛性の木造か)の思想の違いで、好みが分かれるかもしれません。
理想の暮らしを具体的にイメージする
選択に迷ったときは、新しい家でどのような暮らしを送りたいかを具体的に想像してみましょう。
「広いリビングに友人をたくさん招いてホームパーティーを開きたい」
「庭の緑を眺めながら、大きな窓辺でゆったりと読書をしたい」
「木の香りに包まれて、家族とのんびり過ごしたい」
「趣味の車を眺められるビルトインガレージが欲しい」
こうした具体的なイメージが、鉄骨と木造、どちらの構造がより適しているかを教えてくれるヒントになります。
最終的には「体感」して決める
カタログやウェブサイトの情報だけで判断するのではなく、必ず両方のモデルハウスや実邸見学会に足を運び、その空間を「体感」してください。
鉄骨造のダイナミックな空間の広がりと、木造シャーウッドの落ち着いた空気感や木の質感は、実際にその場に身を置いてみないと分からない感覚です。
デザインの好みも、実物を見ることでより明確になります。
積水ハウスの鉄骨と木造の選択は、どちらが優れているかという問題ではありません。
どちらが「自分たちの理想の暮らしに合っているか」という問題です。
本記事で得た知識を基に、ご家族でじっくりと話し合い、設計担当者とも相談を重ねながら、後悔のない、最高の選択をしてください。
- 積水ハウスには鉄骨造と木造(シャーウッド)の選択肢がある
- 鉄骨造はラーメン構造で大空間や大開口が得意
- 木造シャーウッドは独自のMJ接合で高い強度と設計自由度を両立
- 価格は一般的に木造のシャーウッドの方が高価な傾向
- 坪単価の目安は鉄骨が90万円から、木造が95万円から
- 耐震性はどちらも最高等級3で国内トップクラスの安全性
- 鉄骨はしなやかに揺れ、木造は剛性で耐えるという思想の違いがある
- 断熱性もどちらも高く、鉄骨は熱橋対策、木造は木の特性を活かす
- 間取りの自由度は制約の少なさで鉄骨造に軍配が上がる
- 鉄骨のメリットは品質安定性、工期の短さ、設計自由度
- 鉄骨のデメリットはコスト、固定資産税、熱橋対策の必要性
- 木造のメリットは木の質感、調湿性、断熱性の高さ
- 木造のデメリットはコスト、シロアリ対策の必須性
- 固定資産税は建物の評価額が高い鉄骨造の方が高くなる傾向
- 適切なメンテナンスを行えばどちらも50年以上の寿命が期待できる
新築一戸建てを検討中なら、タウンライフ家づくりで気になるハウスメーカーを比較・検討してみませんか?
「資金計画」「間取りプラン」「土地探し」を複数社で比較し、無料で計画書を作成・提案してもらえます。
\40万人以上の利用実績あり/
- チャットで質問に回答(約3分)
- 気になるハウスメーカーを選ぶ(1,130社以上)
- 無料で間取りプランと見積りが届く♪
\300万円以上の値引き実績あり/