
住友林業で家を建てることを検討する際、多くの人がそのデザイン性や木の質感に注目します。
しかし、家の寿命と安全性を支える最も重要な部分、それは住友林業の基礎にほかなりません。
この見えない部分には、住友林業が長年培ってきた技術とこだわりが詰まっています。
本記事では、住友林業の基礎工事の標準仕様であるベタ基礎の詳細から、その種類や使われる鉄筋の構造、さらには快適な暮らしを実現する基礎断熱の仕組みまで、あらゆる角度から深く掘り下げていきます。
また、気になる坪単価への影響や、地震国日本で欠かせない耐震性の秘密、そして家を長持ちさせるためのシロアリ対策についても解説します。
土地の状態によっては必要となる地盤改良工事の考え方や、一条工務店をはじめとする他の大手ハウスメーカーとの比較を通じて、住友林業の基礎が持つ独自の強みと特徴を明らかにしていきます。
これから家づくりを始める方が後悔しないために、知っておくべき情報を網羅的にお届けします。
- 住友林業の基礎が標準で採用するベタ基礎の構造と利点
- 着工から完成までの基礎工事の具体的な流れと所要期間
- 家の快適性を左右する基礎断熱のメリットと注意すべき点
- 地震に強い家を実現する鉄筋の配筋とコンクリートの品質
- 土地の状況に応じた地盤改良やオプション工事の必要性
- 他の大手ハウスメーカーと住友林業の基礎の仕様比較
- 坪単価や総額に基礎工事が与える影響とコストの考え方
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目次
住友林業の基礎における標準仕様と特徴
- 標準仕様で採用されるベタ基礎とは
- 基礎工事の一般的な流れと期間
- 基礎断熱がもたらす快適性と注意点
- 強度を高める鉄筋の配筋と構造
- オプションで選べる仕様や地盤改良工事
標準仕様で採用されるベタ基礎とは◆◆
住友林業の基礎は、現在の日本の木造住宅において主流となっている「ベタ基礎」を標準仕様として採用しています。
このベタ基礎とは、建物の底面全体を鉄筋コンクリートの板で覆う工法のことです。
地面に直接「面」で建物を支える構造になっており、地震の揺れや建物の荷重を効率よく地盤に分散させることができます。
なぜなら、特定の点や線で支える布基礎と比べて、ベタ基礎は接地面が広いため、地盤にかかる圧力が均等になりやすいからです。
結果として、不動沈下などのリスクを大幅に低減させることが可能となります。
具体的には、まず地面を掘削したのち、防湿シートを敷き詰めて地面からの湿気が上がってくるのを防ぎます。
その上に、設計図通りに鉄筋を格子状に組み上げ、型枠を設置した後にコンクリートを流し込むという手順で施工されます。
住友林業では、このコンクリートの厚さや鉄筋の太さ、配置間隔(ピッチ)に至るまで、建築基準法で定められた基準を上回る独自の厳しい基準を設けているのが特徴です。
これにより、極めて高い強度と耐久性を実現しています。
また、ベタ基礎は地面をコンクリートで完全に覆うため、シロアリが地面から侵入する経路を物理的に遮断しやすいというメリットも持ち合わせています。
これも、木をふんだんに使う住友林業の家にとって、非常に重要なポイントと言えるでしょう。
このように、住友林業がベタ基礎を標準仕様としているのは、日本の風土や自然災害のリスクを深く考慮し、長期間にわたって安心して暮らせる住まいを提供するための、論理的かつ最適な選択なのです。
ベタ基礎のメリットとデメリット
ベタ基礎が持つメリットは多岐にわたります。
最大の利点は、前述の通り、建物の荷重を面で支えることによる安定性の高さです。
地震の揺れを効果的に地盤へ逃がすことで、建物へのダメージを最小限に抑える効果が期待できます。
また、地面全体をコンクリートで覆うことで、地面からの湿気を防ぎ、床下の環境を乾燥した状態に保ちやすくなります。
これは、カビの発生を抑制し、建物の土台や構造材の腐食を防ぐ上で極めて重要です。
さらに、シロアリの侵入経路を遮断する効果も大きなメリットです。
一方で、デメリットも存在しないわけではありません。
代表的なのは、コスト面です。
布基礎と比較して、使用する鉄筋とコンクリートの量が多いため、材料費および工事費が高くなる傾向にあります。
また、施工に手間がかかるため、工期がやや長くなる可能性も考えられます。
とはいえ、これらのデメリットは、家の安全性や耐久性、長期的なメンテナンスコストを考慮すれば、十分に許容できる範囲にあると考えるのが一般的です。
住友林業の基礎は、このベタ基礎のメリットを最大限に活かし、デメリットを技術力でカバーすることで、トータルバランスに優れた住まいづくりを実現しているのです。
基礎工事の一般的な流れと期間◆◆
住友林業の基礎工事は、非常に体系化されたプロセスに沿って進められます。
家づくりの最初の工程であり、その後のすべての作業の土台となるため、極めて精密な管理のもとで実施されます。
まず、工事を始める前段階として「地縄張り」が行われます。
これは、設計図に基づいて建物の配置を地面に縄で示し、施主と共に最終的な位置確認を行う作業です。
この確認が終わると、いよいよ本格的な工事が始まります。
最初のステップは「根切り(ねぎり)」と呼ばれる掘削作業です。
設計図で定められた深さまで地面を掘り、基礎を設置するスペースを確保します。
次に、掘削した底面に「砕石(さいせき)」を敷き詰め、ランマーという機械で突き固める「地業(じぎょう)」が行われます。
これにより、地盤の支持力を高め、基礎が安定するようにします。
続いて、地面からの湿気を防ぐための「防湿シート」を敷設し、その上からコンクリートを薄く流す「捨てコンクリート」を打設します。
捨てコンクリートは、型枠や鉄筋を正確に設置するための基準線(墨出し)を引くために重要な役割を果たします。
それが完了すると、基礎の骨格となる「配筋工事」へと移ります。
設計図に従って、職人が手作業で鉄筋を一本一本組み上げていきます。
配筋が完了した段階で、第三者機関による厳格な「配筋検査」が行われ、鉄筋の太さ、本数、間隔などが図面通りかを確認します。
検査に合格すると、コンクリートを流し込むための「型枠工事」が行われ、いよいよ「コンクリート打設」です。
まず底盤部分(スラブ)にコンクリートを流し込み、次に立ち上がり部分の型枠を組んで再度コンクリートを打設します。
コンクリートが固まるまで一定期間養生し、最後に型枠を外して完成となります。
工事期間は、天候や季節、建物の規模によって変動しますが、一般的には着工から完了までおおよそ1ヶ月から1ヶ月半程度が目安となるでしょう。
住友林業では、各工程で厳しい品質チェックを行いながら、計画通りに工事を進める体制が整えられています。
この丁寧で確実な施工プロセスが、住友林業の基礎の高い品質を支えているのです。
基礎断熱がもたらす快適性と注意点◆◆
住友林業の基礎に関連して、近年注目度が高まっているのが「基礎断熱」です。
これは、従来の床下で断熱を行う「床断熱」とは異なり、建物の基礎の立ち上がり部分や、場合によっては底盤部分の外周に断熱材を施工する工法を指します。
基礎断熱を採用する最大のメリットは、床下の空間を室内環境に近づけることができる点にあります。
これにより、冬場の底冷えを大幅に軽減し、足元から伝わる冷気をシャットアウトすることができます。
なぜなら、外気の影響を直接受ける床下空間が断熱材によって保護されるため、床下の温度が室温に近くなり、床材の表面温度が下がりにくくなるからです。
結果として、暖房効率が向上し、光熱費の削減にもつながる可能性があります。
また、一年を通して床下の温度が安定するため、夏場の結露を防ぐ効果も期待できます。
これは、建物の土台の耐久性を維持する上でも非常に重要です。
住友林業では、標準仕様ではありませんが、地域の気候や施主の要望に応じて基礎断熱を選択することが可能です。
一方で、基礎断熱にはいくつかの注意点も存在します。
最も重要なのが、シロアリ対策です。
基礎の外側に断熱材を施工する場合、断熱材とコンクリートの隙間がシロアリの侵入経路になってしまうリスクが指摘されています。
そのため、防蟻処理が施された特殊な断熱材を使用したり、断熱材の途中にシロアリの侵入を物理的に防ぐタームガードを設置したりするなど、入念な対策が不可欠となります。
住友林業で基礎断熱を検討する際は、どのようなシロアリ対策が講じられているのかを必ず確認することが重要です。
さらに、床下空間が室内扱いになるため、換気計画も重要になります。
床下に湿気がこもらないよう、適切な換気システムを導入しなければなりません。
これらの注意点をしっかりと理解し、適切な設計と施工が行われるのであれば、基礎断熱は住まいの快適性を格段に向上させる有効な選択肢と言えるでしょう。
強度を高める鉄筋の配筋と構造◆◆
住友林業の基礎の強靭さを支える核心部分は、コンクリートの内部に配置される鉄筋の構造、すなわち「配筋」にあります。
コンクリートは圧縮される力には非常に強いものの、引っ張られる力には弱いという特性を持っています。
一方で、鉄筋は引っ張り力に非常に強い性質を持っています。
この二つの素材を組み合わせることで、お互いの弱点を補い合い、圧縮力にも引っ張り力にも強い「鉄筋コンクリート」という強固な構造体が生まれるのです。
地震が発生した際、基礎には複雑な力がかかります。
地面の揺れによって、基礎の一部には圧縮する力が、別の一部には引っ張る力が同時に作用します。
この時、鉄筋がその強い引っ張り強度でコンクリートの破壊を防ぎ、構造全体の粘り強さを生み出します。
住友林業の基礎では、この配筋の設計に独自のノウハウが活かされています。
建築基準法で定められている鉄筋の太さや間隔の基準はもちろんのこと、それを超える厳しい自社基準を設定しています。
例えば、鉄筋の間隔(ピッチ)をより狭くすることで、基礎全体の強度とひび割れへの抵抗力を高めています。
特に、力が集中しやすい基礎のコーナー部分や、柱が乗る直下の部分には、補強のための鉄筋を追加で配置するなど、細やかな配慮がなされています。
また、使用される鉄筋そのものの品質にもこだわっています。
JIS規格に適合した高品質な鉄筋のみを使用し、その表面にある「リブ」と呼ばれる凹凸がコンクリートと強力に付着することで、一体化した強固な部材となるのです。
施工現場では、設計図通りにミリ単位の精度で鉄筋が組まれているか、専門の検査員が厳しくチェックします。
鉄筋と型枠の間隔(かぶり厚さ)が適切に確保されているかも重要なポイントです。
このかぶり厚さが不足していると、将来的に鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊してしまう「爆裂」という現象を引き起こす原因となります。
住友林業では、適切なスペーサーブロックを使用し、十分なかぶり厚さを確保することで、基礎の長期的な耐久性を保証しています。
このように、目には見えない部分である配筋の設計と施工品質こそが、住友林業の基礎の信頼性を根底から支える要素なのです。
オプションで選べる仕様や地盤改良工事◆◆
住友林業の基礎は、標準仕様で既に高い品質を誇りますが、建築地の状況や施主のさらなる要望に応えるため、様々なオプションが用意されています。
また、家を建てる上で基礎そのものと同じくらい重要なのが、その基礎を支える地盤の状態です。
まず、地盤についてですが、家を建てる前には必ず「地盤調査」が実施されます。
スウェーデン式サウンディング試験などの方法で、その土地の地耐力(地盤がどれだけの重さに耐えられるか)を詳細に調査します。
この調査の結果、地盤が軟弱であると判断された場合には、安全な家を建てるために「地盤改良工事」が必要となります。
地盤改良にはいくつかの工法があります。
代表的なものとしては、地面にセメント系の固化材を混ぜて地盤を固める「表層改良工法」や、地中にコンクリートの柱を何本も造成する「柱状改良工法」、そして鋼管の杭を硬い地層まで打ち込む「鋼管杭工法」などがあります。
どの工法が採用されるかは、地盤の状態や建物の重さによって決定されます。
この地盤改良工事は、決してオプションという位置づけではなく、安全性を確保するための必須工事となります。
費用は工法や規模によって大きく異なりますが、数十万円から数百万円かかる場合もありますので、土地選びの段階から地盤の状況を意識しておくことが大切です。
一方、基礎本体に関するオプションとしては、前述した「基礎断熱」が挙げられます。
特に寒冷地では、冬の快適性を大きく向上させるため、採用を検討する価値が高いでしょう。
また、基礎の立ち上がり部分の高さを通常よりも高くする「深基礎」という仕様もあります。
これは、高低差のある土地で建物の高さを調整したり、床下空間を収納として有効活用したりする場合に採用されます。
さらに、コンクリートの性能を高めるオプションも存在します。
例えば、設計基準強度を標準よりも高いものに変更することで、さらなる耐久性や長寿命化を図ることが可能です。
これらのオプションや地盤改良工事は、すべて家の安全性、快適性、耐久性を向上させるためのものです。
住友林業の担当者とよく相談し、自分の土地とライフプランに最適な選択をすることが、後悔しない家づくりにつながります。
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住友林業の基礎を他社と比較してわかる強み
- 高い耐震性を実現する技術の秘密
- シロアリ対策と長期的な耐久性
- 坪単価や価格に与える影響について
- 一条工務店など他社との違いを比較
- 失敗しないために知る住友林業の基礎
高い耐震性を実現する技術の秘密◆◆
住友林業の基礎が、なぜ高い耐震性を発揮できるのか。その秘密は、単にベタ基礎を採用しているというだけではありません。
基礎と建物本体、そして地盤までを一体として捉える、総合的な設計思想に基づいています。
まず、基礎の設計において重要なのが、その「剛性」です。
住友林業の基礎は、底盤(スラブ)の厚さや立ち上がり部分の幅を十分に確保し、内部の配筋も密にすることで、地震の揺れに対しても変形しにくい、極めて剛性の高い構造体となっています。
この強固な基礎が、 마치お盆のように建物全体をしっかりと支え、地震のエネルギーを地盤へスムーズに伝達・分散させます。
もし基礎が軟弱であれば、地震の揺れによって基礎自体がねじれたり、ひび割れたりしてしまい、その上に立つ建物に深刻なダメージを与えてしまいます。
次に、基礎と建物本体を結合する方法にも特徴があります。
基礎から突き出た「アンカーボルト」によって、土台と基礎は強固に連結されます。
住友林業では、このアンカーボルトの太さ、長さ、そして配置する本数や位置を、構造計算に基づいて精密に決定しています。
地震の際には、建物が基礎から浮き上がったり、ずれたりするのを防ぐ非常に重要な役割を担っており、その施工精度には細心の注意が払われています。
さらに、住友林業独自の「ビッグフレーム構法(BF構法)」との連携も、高い耐震性を生み出す要因です。
BF構法は、一般的な柱の5倍以上の太さを持つ「ビッグコラム」を主要構造材とするラーメン構造です。
この強靭な構造体が、地震のエネルギーを効率よく吸収・分散します。
そして、そのビッグコラムが持つ強大な力を受け止め、地盤に伝える最終的な受け皿となるのが、強固なベタ基礎なのです。
つまり、BF構法という優れた上部構造と、それを支えるに足る頑強な基礎構造が組み合わさって、初めて住友林業が誇る高い耐震性能が実現されるというわけです。
地盤調査から地盤改良、基礎設計、そしてBF構法へと連なる一貫した耐震設計思想こそが、大地震から家族の命と財産を守る、住友林業の家の技術的な秘密と言えるでしょう。
シロアリ対策と長期的な耐久性◆◆
住友林業の基礎は、家の長期的な耐久性を確保するために、シロアリ対策にも万全の配慮がなされています。
木を主要な構造材として使用する住友林業にとって、シロアリは絶対に放置できない天敵です。
その対策は、基礎の段階から始まっています。
第一の防衛ラインは、標準仕様であるベタ基礎そのものです。
前述の通り、ベタ基礎は地面をコンクリートで完全に覆うため、地中からシロアリが建物内部へ侵入する物理的な経路を大幅に遮断します。
特に、コンクリートの打ち継ぎ部分や、配管が基礎を貫通する部分はシロアリの侵入経路になりやすいため、これらの箇所の施工には細心の注意が払われ、隙間が生じないように厳格な管理が行われています。
第二の対策として、薬剤による防蟻処理があります。
住友林業では、基礎の外周部や配管の立ち上がり部分の土壌に、シロアリを防ぐための薬剤を散布します。
さらに、地面から1mの高さまでの木部(土台や柱など)にも、防腐・防蟻効果のある薬剤を加圧注入処理した木材を使用したり、現場で薬剤を塗布したりします。
これにより、万が一シロアリがコンクリートの隙間を突破しようとしても、薬剤のバリアによって防がれる二段構えの対策となっています。
使用される薬剤は、人体への安全性が高く、効果が長期間持続するものを選定しています。
さらに、基礎の換気も重要な要素です。
従来は基礎に換気口を設ける「床下換気口」が一般的でしたが、これでは床下の隅々まで空気が行き渡らず、湿気が溜まりやすい場所ができてしまうという欠点がありました。
湿気が多い場所はシロアリが好む環境です。
そこで住友林業では、土台と基礎の間に「基礎パッキン」という部材を挟み込む工法を標準的に採用しています。
この基礎パッキン工法により、基礎の全周から床下全体にわたって効率よく換気することができ、床下を常に乾燥状態に保つことができます。
これにより、シロアリが生息しにくい環境を作り出すとともに、木材の腐食を防ぎ、建物の耐久性を向上させる効果があります。
このように、物理的な障壁、化学的な対策、そして環境的な対策という多角的なアプローチによって、住友林業の基礎と家はシロアリの脅威から守られ、長期にわたる安心と耐久性を実現しているのです。
坪単価や価格に与える影響について◆◆
住友林業の基礎は、その高い品質と性能ゆえに、住宅全体の価格、特に「坪単価」に少なからず影響を与えます。
家づくりを検討する上で、コストは非常に重要な要素であり、基礎にかかる費用がどのように全体の価格を構成しているのかを理解することは大切です。
まず、住友林業の坪単価は、他のローコスト系のハウスメーカーと比較すると高価格帯に位置します。
その理由の一つが、見えない部分である基礎や構造躯体に、一切の妥協をせず高品質な資材と手間をかけている点にあります。
ベタ基礎は、前述の通り布基礎に比べてコンクリートや鉄筋の使用量が多くなります。
さらに、住友林業では建築基準法を上回る自社基準を設けているため、鉄筋の本数を増やしたり、コンクリートの厚みを増したりすることが、結果として材料費と人件費の上昇につながります。
これは、そのまま坪単価に反映されることになります。
また、地盤調査の結果、地盤改良工事が必要になった場合、その費用は別途発生します。
地盤改良の費用は、土地の状況によって数十万円から数百万円と大きな幅があり、全体の総額を押し上げる要因となり得ます。
これは住友林業に限った話ではありませんが、堅牢な基礎を築くための前提条件として認識しておく必要があります。
しかし、これらのコストを単なる「出費」と捉えるべきではありません。
むしろ、家の安全性と耐久性、そして将来の資産価値を守るための「投資」と考えるのが適切です。
初期費用は高くついたとしても、地震や台風などの自然災害から家を守り、大規模な修繕の必要性を減らすことができれば、長期的な視点で見ると結果的にコストを抑えることにつながります。
例えば、軟弱な地盤に適切な改良をせず家を建ててしまい、数年後に家が傾いてしまう「不同沈下」が起きた場合、その修正には莫大な費用と時間がかかります。
しっかりとした基礎は、そうした将来のリスクを未然に防ぐための保険とも言えるでしょう。
したがって、住友林業の基礎が高いからといって、安易に仕様をダウングレードしたり、必要な地盤改良をためらったりすることは避けるべきです。
なぜこの仕様が必要なのか、それが家の性能にどう貢献するのかを理解し、納得した上でコストを判断することが、賢明な家づくりと言えます。
一条工務店など他社との違いを比較◆◆
住友林業の基礎をより深く理解するためには、他の大手ハウスメーカー、例えば一条工務店などと比較してみることが有効です。
各社それぞれに家づくりの哲学があり、それが基礎の仕様にも反映されています。
まず、住友林業と一条工務店の両社ともに、標準で「ベタ基礎」を採用している点は共通しています。
これは、現在の日本の住宅業界における耐震性や耐久性への要求水準の高さを示していると言えるでしょう。
しかし、細部においてはいくつかの違いが見られます。
一条工務店の基礎で特徴的なのは、基礎と床下の断熱に対する強いこだわりです。
「外内ダブル断熱構法」の一環として、基礎の立ち上がり部分の外側と内側の両方に断熱材を施工し、床下全体を高性能な断熱材で覆うことで、極めて高い断熱性能と気密性能を実現しています。
これは、「家は、性能。」という一条工務店のスローガンを体現する仕様であり、特に冬の暖かさを重視するユーザーから高い評価を得ています。
一方で、住友林業の基礎は、BF構法という強靭な上部構造を支えることに重きを置いた設計思想が見られます。
基礎自体の剛性、つまり鉄筋の量やコンクリートの強度、そして構造計算に基づいたアンカーボルトの配置など、構造的な安定性を徹底的に追求している点が特徴です。
断熱に関しては、一条工務店ほどの徹底した仕様は標準ではありませんが、地域の気候や施主の要望に応じて基礎断熱を選択できる柔軟性を持っています。
シロアリ対策についてもアプローチが異なります。
住友林業が基礎パッキンによる全周換気と薬剤処理を組み合わせているのに対し、一条工務店では配管周りなどシロアリの侵入リスクが高い箇所に物理的な防蟻対策を施し、さらに加圧注入処理済みの木材を使用するなど、こちらも徹底した対策を講じています。
以下に簡単な比較表を示します。
項目 | 住友林業 | 一条工務店 |
---|---|---|
基礎工法 | ベタ基礎(標準) | ベタ基礎(標準) |
特徴 | BF構法を支える高剛性設計 | 外内ダブル断熱との一体設計 |
基礎断熱 | オプション対応 | 標準仕様(高性能) |
シロアリ対策 | 基礎パッキン、薬剤処理 | 物理的防蟻、加圧注入材 |
連携する構法 | ビッグフレーム構法(BF構法) | ツインモノコック構造 |
このように、どちらの基礎が一方的に優れているというわけではなく、各社が目指す家の性能やコンセプトによって、基礎の仕様にも違いが生まれています。
住友林業は「構造の強さ」と「設計の自由度」を支えるための基礎、一条工務店は「断熱・気密性能」を極限まで高めるための基礎、というように、それぞれの強みを理解し、自身が家づくりで何を最も重視するのかを基準に比較検討することが重要です。
失敗しないために知る住友林業の基礎◆◆
この記事を通じて、住友林業の基礎が持つ様々な特徴や強みについて解説してきました。
最後に、これまで述べてきた情報を総括し、あなたが住友林業で家を建てる際に失敗しないために、改めて押さえておくべき重要なポイントをまとめます。
住友林業の基礎を理解することは、単に技術的な仕様を知るだけではありません。
それは、住友林業が提供する「安心」と「安全」の根幹を理解することと同義です。
家は完成してしまうと、基礎の部分はほとんど見えなくなってしまいます。
だからこそ、建てる前にその重要性を深く認識し、納得のいく家づくりを進めることが何よりも大切なのです。
まず第一に、住友林業の基礎は、ビッグフレーム構法という卓越した構造体を足元から支えるために、極めて堅牢に設計されているという事実を忘れてはなりません。
標準仕様のベタ基礎は、建築基準法を上回る品質で施工され、地震などの外力から建物を守るための最初の砦となります。
第二に、地盤調査の結果は真摯に受け止め、必要であれば地盤改良工事の費用を惜しまないでください。
どんなに立派な基礎を築いても、それを支える地盤が軟弱では意味がありません。
これは、安全な家を建てるための絶対条件です。
第三に、基礎断熱や深基礎といったオプションは、あなたのライフスタイルや建築地の環境に合わせて、その必要性を慎重に検討することが重要です。
担当者の説明をよく聞き、メリットとデメリットを天秤にかけた上で判断しましょう。
そして最後に、坪単価や価格だけで判断するのではなく、その価格に含まれる価値、すなわち長期的な耐久性、高い耐震性、そしてシロアリなどから家を守るための性能といった、目に見えない部分の価値を正しく評価することが求められます。
住友林業の基礎は、まさにその価値を体現している部分と言えるでしょう。
これらのポイントを心に留めておくことで、あなたは住友林業の家づくりにおいて、より賢明な判断を下すことができるはずです。
見えない部分にこそ、最高の品質を追求する。
それが住友林業の家づくりの哲学であり、その基礎を理解することが、後悔のない選択への第一歩となるのです。
- 住友林業の基礎はベタ基礎が標準仕様
- ベタ基礎は地震の揺れを面に分散させ安定性が高い
- 地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐ効果もある
- 基礎工事は地縄張りから始まり約1ヶ月半の期間を要する
- 鉄筋の配筋は建築基準法を上回る自社基準で強度を確保
- 力がかかるコーナー部分などは鉄筋を増やして補強
- 基礎断熱はオプションで冬の底冷え対策に有効
- 基礎断熱採用時はシロアリ対策の確認が不可欠
- 着工前の地盤調査は必須で軟弱地盤には改良工事が必要
- 地盤改良は家の安全を守るための重要な投資
- ビッグフレーム構法の強さを支える高剛性な基礎設計が特徴
- 基礎パッキン工法による床下全周換気で湿気を防ぐ
- 高品質な基礎は坪単価に影響するが長期的な安心につながる
- 一条工務店は断熱性能、住友林業は構造強度を重視する傾向
- 見えない基礎部分の重要性を理解することが後悔しない家づくりの鍵
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