
マイホームを建てる際、多くの人が間取りやデザインに注目しがちですが、建物を根本から支える「基礎」こそ、家の寿命と安全性を左右する最も重要な要素と言っても過言ではありません。
特に、高い住宅性能で知られる一条工務店を検討している方にとって、一条工務店の基礎がどのようなもので、他社と比べて何が優れているのかは、非常に気になるポイントではないでしょうか。
インターネットで情報を集めようとしても、専門用語が多くて理解が難しかったり、断片的な情報しか得られなかったりして、かえって混乱してしまうことも少なくありません。
一条工務店の基礎の標準仕様、例えばベタ基礎の具体的な種類やその性能、基礎工事にかかる費用や坪単価との関係、さらには地震に対する耐震性や耐久性、気になるひび割れやシロアリ対策の評判など、知りたいことは山ほどあるはずです。
この記事では、そうした疑問や不安を解消するため、一条工務店の基礎に関する情報を網羅的かつ分かりやすく解説します。
家の土台となる部分だからこそ、後悔のない選択ができるよう、この記事で一条工務店の基礎の強みと特徴を深く理解していきましょう。
- 一条工務店の基礎が標準で採用するベタ基礎の性能
- 他社との比較で明らかになる一条工務店の基礎の優位性
- 基礎の高さや鉄筋、断熱材がもたらす具体的なメリット
- 基礎工事にかかる費用やオプションの考え方
- 地震に強いとされる高い耐震性の科学的根拠
- 基礎のひび割れに関する原因と対策
- 安心して長く住むためのシロアリ対策の詳細
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目次
一条工務店の基礎が誇る標準仕様と高い性能
- 標準採用されているベタ基礎の種類
- 他社比較でわかる基礎工事の強み
- 基礎の高さがもたらすメリット
- 鉄筋や配筋の独自基準とは
- 気になる基礎断熱の性能
一条工務店の家づくりにおいて、その高い性能を語る上で欠かすことのできないのが、建物を支える土台である「基礎」です。
一条工務店では、見えない部分にこそ徹底的にこだわるという哲学のもと、標準仕様でありながら業界トップクラスの堅牢な基礎を構築しています。
この章では、一条工務店の基礎がなぜ高い評価を得ているのか、その核心となる標準仕様の内容や、他社とは一線を画す性能について、多角的な視点から詳しく掘り下げていきます。
これから家を建てる方にとって、基礎はまさに縁の下の力持ちであり、その品質が将来の安心に直結します。
一条工務店の基礎が持つポテンシャルを正しく理解し、後悔のないハウスメーカー選びの参考にしてください。
標準採用されているベタ基礎の種類
まずはじめに、一条工務店の基礎の根幹をなす「ベタ基礎」について解説します。
住宅の基礎には、主に「布基礎」と「ベタ基礎」の2種類が存在しますが、一条工務店では原則として全棟でベタ基礎を標準採用しています。
これは、家の安全性と耐久性を最優先に考える同社の姿勢の表れと言えるでしょう。
ベタ基礎とは何か
ベタ基礎とは、建物の底面全体を鉄筋コンクリートの「面」で支える構造の基礎です。
地面をコンクリートで覆うため、地面から上がってくる湿気やシロアリの侵入を防ぎやすいという大きなメリットがあります。
また、建物の荷重を基礎全体で受け止め、広範囲に分散させて地盤に伝えるため、安定性に優れ、不同沈下を起こしにくいのが特徴です。
これに対して布基礎は、柱や壁の下にだけ逆T字型のコンクリートを配置する「線」で支える構造であり、コストを抑えられる反面、ベタ基礎に比べて耐震性や湿気対策の面では譲る部分があります。
一条工務店の実物大耐震実験で証明された「超ベタ基礎」
一条工務店が採用しているのは、ただのベタ基礎ではありません。
同社では、このベタ基礎をさらに強化した、いわば「超ベタ基礎」と呼べるものを標準仕様としています。
その強度は、実物大の建物を震度7相当の揺れで何度も加振する耐震実験によっても証明されており、地震大国である日本において、これ以上ないほどの安心感を提供してくれます。
具体的には、一般的なベタ基礎が150mm程度のコンクリート厚であるのに対し、一条工務店ではそれ以上の厚みを確保しています。
さらに、基礎の内部に碁盤の目状に張り巡らされる鉄筋の量や太さ、配置間隔においても、建築基準法で定められた数値を大幅に上回る独自基準を設けているのです。
このように、見えない部分にも一切の妥協を許さず、コストをかけてでも安全性を追求する姿勢が、一条工務店の基礎の信頼性を高めていると言えるでしょう。
一条工務店を選ぶということは、この堅牢なベタ基礎が標準でついてくるという、大きなアドバンテージを手にすることと同義なのです。
他社比較でわかる基礎工事の強み
一条工務店の基礎が優れていると言われる理由は、単にベタ基礎を標準採用しているからだけではありません。
その真価は、他社の基礎工事と比較することでより鮮明になります。
ここでは、具体的な数値や仕様を交えながら、一条工務店の基礎工事がいかに強固であるかを明らかにしていきます。
コンクリートと鉄筋の圧倒的な物量
住宅の基礎の強度は、使用されるコンクリートの厚さと鉄筋の量に大きく左右されます。
一条工務店の基礎は、この両方において他社を圧倒する物量が投入されています。
項目 | 一条工務店 | 一般的な住宅メーカー |
---|---|---|
基礎の種類 | ベタ基礎(標準) | ベタ基礎 or 布基礎 |
コンクリートスラブ厚 | 約180mm | 約150mm |
鉄筋(主筋)の太さ | D16 (16mm) | D13 (13mm) |
配筋ピッチ | 200mm | 200mm~300mm |
上の表からもわかるように、一条工務店では、基礎の床面となるコンクリートスラブの厚さが、一般的な150mmよりも厚い約180mmで設計されています。
わずか30mmの違いと感じるかもしれませんが、この差が基礎全体の剛性を大きく向上させます。
さらに注目すべきは、鉄筋です。
一般的に主筋として使用されるのは直径13mm(D13)の鉄筋ですが、一条工務店ではより太い直径16mm(D16)の異形鉄筋を標準で使用しています。
鉄筋の強度は断面積に比例するため、D13とD16では約1.5倍もの差が生まれる計算になります。
この太い鉄筋を200mmという密な間隔で配置することで、非常に強固な鉄筋コンクリート盤を形成しているのです。
現場での品質管理と施工精度
どれだけ優れた設計でも、それを正確に形にする施工技術が伴わなければ意味がありません。
一条工務店では、基礎工事の品質を担保するために、徹底した管理体制を敷いています。
例えば、コンクリートを流し込む前の配筋検査では、鉄筋の太さ、本数、間隔、かぶり厚さ(コンクリート表面から鉄筋までの距離)などが、設計図通りに施工されているかを厳しくチェックします。
また、コンクリートの品質自体にもこだわり、季節や天候に応じて配合を調整するなど、常に最適な強度が得られるような工夫がなされています。
こうした地道で丁寧な基礎工事が、結果として他社には真似のできない圧倒的な強みとなり、住まう人の安全を守る防波堤となっているのです。
一条工務店の基礎は、まさに質実剛健という言葉がふさわしい、信頼性の高い構造物と言えるでしょう。
基礎の高さがもたらすメリット
家を支える基礎の強固さに注目が集まりがちですが、実は「基礎の高さ」も居住性やメンテナンス性に大きく関わる重要な要素です。
一条工務店では、この基礎の高さにおいても独自の基準を設けており、住む人にとって多くのメリットをもたらしています。
標準で確保される基礎高
建築基準法では、地面から床下までの高さを400mm以上確保することが推奨されています。
これは、床下の換気を促し、木材の腐食を防ぐための基準です。
多くのハウスメーカーがこの基準値ギリギリで設計する中、一条工務店では、標準仕様で地盤面から440mmという高さを確保しています。
このわずか40mmの差が、実は後々の住み心地やメンテナンスにおいて大きな違いを生み出すのです。
床下の湿気対策と通気性
基礎が高いことの第一のメリットは、床下の湿気対策に優れている点です。
地面から床面が離れるほど、地中の水分が床下に影響を及ぼしにくくなります。
一条工務店は、ベタ基礎で地面を覆うことに加え、十分な基礎高を確保することで、二重の湿気対策を講じていることになります。
これにより、床下の木材が常に乾燥した状態に保たれ、腐朽やカビの発生を抑制し、家の耐久性を高めることにつながります。
また、床下空間にゆとりが生まれることで通気性が向上し、建物全体の空気がよどみにくくなる効果も期待できます。
メンテナンスの容易さ
家は建てて終わりではなく、定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。
特に、給排水管やガス管などが集中する床下は、将来的に修理や交換が必要になる可能性があります。
基礎高が低いと、作業員が床下に入るのが困難であったり、作業スペースが十分に確保できなかったりして、メンテナンス費用が高額になるケースも少なくありません。
その点、一条工務店の基礎高であれば、人が潜って作業するための十分なスペースが確保されているため、点検や修理が容易に行えます。
これは、長期的な視点で見たときに、維持管理コストの削減に直結する非常に重要なメリットと言えるでしょう。
水害への備え
近年、ゲリラ豪雨などによる浸水被害が多発しています。
万が一、家の周囲が冠水してしまった場合でも、基礎が高ければ高いほど、床上浸水のリスクを低減できます。
440mmという基礎高は、ある程度の水害であれば、大切な家財を水から守るための有効な防衛ラインとなり得るのです。
このように、一条工務店の基礎の高さは、単なる設計上の数値ではなく、住む人の快適性と安全性、そして家の長寿命化に貢献する、考え抜かれた仕様なのです。
鉄筋や配筋の独自基準とは
一条工務店の基礎の強靭さを支えるもう一つの柱が、基礎内部の骨格となる「鉄筋」とその配置方法である「配筋」です。
建築基準法で定められた最低限の基準をクリアするだけでは満足せず、自社でより厳しい独自基準を設けている点に、一条工務店の家づくりに対する真摯な姿勢が表れています。
建築基準法を大幅に上回る鉄筋量
前述の通り、一条工務店では一般的な住宅で使われる直径13mmの鉄筋よりも一回り太い、直径16mmの鉄筋を主筋として標準採用しています。
これにより、鉄筋1本あたりの強度が格段に向上します。
しかし、一条工務店のこだわりはそれだけではありません。
鉄筋を配置する間隔(ピッチ)にも注目すべきです。
建築基準法では、鉄筋のピッチは300mm以下と定められていますが、一条工務店ではこれを大幅に下回る200mmピッチを標準としています。
つまり、より太い鉄筋を、より密に配置しているのです。
これにより、コンクリートの中に非常に強固な鉄筋のネットワークが形成され、地震の揺れや建物の荷重に対して、極めて高い抵抗力を発揮します。
その鉄筋量は、一般的なベタ基礎と比較して、実に1.8倍にも達すると言われています。
ダブル配筋によるさらなる強化
さらに、一条工務店では基礎の立ち上がり部分(建物の壁を支える部分)において、「ダブル配筋」という手法を採用していることがあります。
これは、通常は一列で配置される鉄筋を、二列に組む工法です。
鉄筋の量が単純に2倍になるため、基礎のせん断強度(横からの力に対する強さ)が飛躍的に向上し、地震の際に基礎が破壊されるリスクを極限まで低減します。
すべての部分でダブル配筋が採用されるわけではありませんが、建物の構造上、特に大きな力がかかると計算された箇所に効果的に用いられています。
かぶり厚さの確保
配筋においてもう一つ重要なのが「かぶり厚さ」です。
かぶり厚さとは、鉄筋を覆うコンクリートの厚みのことで、これが不足すると鉄筋が錆びやすくなり、基礎の耐久性が低下してしまいます。
鉄筋はアルカリ性のコンクリートに守られている間は錆びませんが、コンクリートの中性化が進むと錆が発生し、膨張してコンクリートにひび割れ(爆裂)を引き起こす原因となります。
一条工務店では、このかぶり厚さについても建築基準法で定められた数値以上のマージンを確保するように厳しく管理されています。
これにより、長期にわたって鉄筋を保護し、基礎の性能を維持することができるのです。
これらの鉄筋・配筋に関する厳しい独自基準こそが、一条工務店の基礎が「地震に強い」と言われる所以なのです。
気になる基礎断熱の性能
一条工務店といえば、「家は、性能。」というキャッチコピーに象徴されるように、業界トップクラスの断熱性能を誇ります。
その高い断熱性は、壁や窓だけでなく、建物の土台である基礎にまで及んでいます。
ここでは、意外と見過ごされがちな「基礎断熱」の重要性と、一条工務店が採用する断熱方法の性能について解説します。
基礎断熱と床断熱の違い
住宅の床下の断熱方法には、大きく分けて「基礎断熱」と「床断熱」の2つがあります。
- 床断熱: 床の真下に断熱材を施工する方法。床下は屋外と同じ扱いになり、換気口を設けて通気させるのが一般的。多くのハウスメーカーで採用されている伝統的な工法。
- 基礎断熱: 基礎の外周部や内周部の立ち上がり部分に断熱材を施工する方法。床下空間を室内と同じ環境と捉え、断熱ラインの内側に取り込む考え方。
一条工務店では、このうち「基礎断熱」を標準的に採用しています。(※商品や仕様により異なる場合があります)
基礎断熱を採用することで、床下空間が外気の影響を受けにくくなり、年間を通じて温度が安定します。
一条工務店の基礎断熱の仕様
一条工務店が基礎断熱に用いるのは、高性能な硬質ウレタンフォームやEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)です。
これを、基礎の外周に当たる立ち上がり部分の内側に、隙間なく施工します。
断熱材の厚みも十分で、国が定める次世代省エネルギー基準を大きくクリアする性能を持っています。
これにより、地面からの冷気や熱気が床下に侵入するのを強力にブロックします。
基礎断熱がもたらすメリット
基礎断熱を採用することには、多くのメリットがあります。
- 冬の底冷えを防ぐ: 床断熱の場合、床下は外気温とほぼ同じになるため、冬場は床からの冷気で足元が冷えがちです。一方、基礎断熱では床下空間も室内環境に近くなるため、床の表面温度が下がりにくく、冬でも底冷えを感じにくい快適な空間が実現します。
- 家全体の気密性・断熱性の向上: 基礎部分で建物をまるごと断熱することで、家全体の気密性が高まります。これにより、冷暖房の効率が向上し、光熱費の削減にも大きく貢献します。一条工務店の「超気密・超断熱」の家は、この基礎断熱によっても支えられているのです。
- 床下空間の有効活用: 基礎断熱によって床下が室内環境に近くなるため、収納スペースとして活用したり、全館床暖房の配管スペースとして利用したりすることが可能になります。特に一条工務店の代名詞とも言える全館床暖房は、この基礎断熱工法があってこそ、その性能を最大限に発揮できるのです。
ただし、基礎断熱にはシロアリ対策に注意が必要という側面もありますが、その点についても一条工務店では万全の対策を講じています。
この点については、後の章で詳しく解説します。
一条工務店の基礎は、ただ頑丈なだけでなく、住まいの快適性を足元から支える重要な役割も担っているのです。
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一条工務店の基礎で家を建てる際の注意点
- 基礎工事にかかる費用の目安
- 高い耐震性の根拠を解説
- 発生しうる基礎のひび割れと対策
- シロアリ対策はどのように行うか
- 評判から見る一条工務店の基礎の強みと弱み
これまで見てきたように、一条工務店の基礎は標準仕様でありながら非常に高い性能を誇ります。
しかし、実際に一条工務店で家を建てることを検討する上では、そのメリットだけでなく、費用面や潜在的なリスク、そして実際に建てた人たちの評判といった、より現実的な側面も理解しておく必要があります。
この章では、一条工務店の基礎に関する注意点や疑問点に焦点を当て、後悔のない家づくりを進めるための知識を深めていきます。
強固な基礎も万能ではありません。
その特性を正しく理解し、納得した上で選択することが重要です。
基礎工事にかかる費用の目安
一条工務店の高性能な基礎は非常に魅力的ですが、多くの人が最も気になるのは「一体いくらかかるのか?」という費用面でしょう。
ここでは、一条工務店の基礎工事にかかる費用の考え方や、オプションによる追加費用について解説します。
基礎工事費用は坪単価に含まれる?
まず理解しておきたいのは、一条工務店の場合、前述した高性能な「超ベタ基礎」の費用は、基本的に建物の本体価格、つまり坪単価の中に含まれているという点です。
「標準仕様」であるため、特別なオプション料金を支払わなくても、業界トップクラスの強固な基礎が手に入るというのは、一条工務店の大きなメリットの一つです。
他社では、同等レベルの基礎を求めるとオプション扱いとなり、数十万円から百万円以上の追加費用が発生することも少なくありません。
この点を考慮すると、一条工務店の坪単価は、一見すると高く感じられるかもしれませんが、その中身(標準仕様の充実度)を考えれば、むしろコストパフォーマンスに優れていると捉えることもできます。
追加費用が発生するケース
標準仕様で非常に高いレベルを誇る一条工務店の基礎ですが、土地の状況や施主の要望によっては、追加で費用が発生するケースもあります。
- 地盤改良工事費: これは一条工務店に限った話ではありませんが、家を建てる土地の地盤が軟弱であると判定された場合、基礎工事の前に地盤を補強する「地盤改良工事」が必要になります。工事の方法(表層改良、柱状改良、鋼管杭など)によって費用は大きく異なりますが、数十万円から200万円程度かかることもあります。これは建物の安全を確保するために必須の工事であり、避けることはできません。
- 深基礎工事: 土地に高低差がある場合や、地下室を設ける場合など、基礎の一部を通常より深く掘り下げる「深基礎」という工事が必要になることがあります。深基礎は、掘削する土の量や型枠、コンクリートの量が増えるため、その面積に応じて追加費用が発生します。費用はケースバイケースですが、数十万円単位で見ておく必要があるでしょう。
- 寒冷地仕様: 厳しい寒さや積雪に対応する必要がある寒冷地では、基礎の底盤を凍結深度(地盤が凍結する深さ)よりも深く設定する必要があります。これに伴い、基礎工事の内容が強化されるため、一般地域に比べて費用が上乗せされることがあります。
費用についての考え方
基礎は、完成すると見えなくなってしまう部分です。
そのため、ついついコストを削りたくなってしまうかもしれませんが、基礎は家の寿命と安全性を左右する最も重要なパーツです。
一条工務店の基礎は、初期投資としては安くはないかもしれませんが、その高い耐久性や耐震性、メンテナンス性によって、長期的に見れば修繕費用の削減や、何よりも「安心」という価値をもたらしてくれます。
費用を検討する際は、目先の金額だけでなく、その家で何十年も暮らすという長期的な視点を持つことが重要です。
高い耐震性の根拠を解説
「一条工務店の家は地震に強い」という評判をよく耳にしますが、その強さの源泉はどこにあるのでしょうか。
もちろん、建物の構造自体も重要ですが、その揺るぎない強さを足元から支えているのが、紛れもなく強固な基礎です。
ここでは、一条工務店の基礎が高い耐震性を発揮する科学的な根拠を、改めて整理して解説します。
「面」で支えるベタ基礎の優位性
まず基本となるのが、標準採用されている「ベタ基礎」です。
地震が発生すると、地面は複雑に揺れ動きます。
ベタ基礎は、建物の底面全体が一体化した鉄筋コンクリートの盤(スラブ)になっているため、地震のエネルギーを基礎全体で受け止め、均等に分散させる能力に長けています。
これは、巨大な「お盆」の上に家が乗っているようなイメージです。
地面が部分的に揺れたり、液状化したりしても、分厚いお盆(ベタ基礎)が一体となって建物を支えるため、家が傾いたり倒壊したりするリスクを大幅に低減します。
一方、布基礎の場合は「線」で支える構造のため、地震時に力が集中しやすく、基礎の一部が破損する可能性が相対的に高まります。
圧倒的な物量が生む剛性
一条工務店の基礎は、ただのベタ基礎ではありません。
一般的な基準を大幅に上回るコンクリートと鉄筋が投入されています。
- 厚いコンクリートスラブ: 約180mmというスラブ厚は、基礎盤自体の剛性(変形しにくさ)を大きく高めます。地震の強い揺れに対しても、たわんだり割れたりしにくい強固な盤を形成します。
- 太く、密な配筋: 直径16mmの太い鉄筋を200mm間隔で配置したメッシュは、コンクリートの弱点である「引っ張られる力」に対する抵抗力を極限まで高めます。地震時には、基礎の様々な部分に引っ張りや圧縮、ねじれの力がかかりますが、この強力な配筋がコンクリートの破壊を防ぎ、粘り強く耐えるのです。
この「圧倒的な物量」こそが、物理的な強さの最も直接的な根拠と言えるでしょう。
実物大耐震実験による証明
一条工務店は、机上の計算だけでなく、実際に巨大な実験施設で実物大の家を揺らし、その耐震性能を検証しています。
阪神・淡路大震災や熊本地震など、過去に日本を襲った大地震の揺れを再現し、震度7クラスの加振を何度も繰り返しても、構造に大きな損傷がないことを実証しています。
この実験では、当然ながら建物だけでなく、それを支える基礎も同じ揺れを経験します。
実験後、基礎に大きなひび割れや破壊が生じていないことが確認されており、これが一条工務店の基礎の高い耐震性を裏付ける、何より雄弁な証拠となっています。
一条工務店の耐震性は、理論と物量、そして実証という三つの柱に支えられた、信頼性の高いものなのです。
発生しうる基礎のひび割れと対策
どれだけ強固に作られた一条工務店の基礎であっても、コンクリートという材料の特性上、ひび割れ(クラック)が全く発生しないわけではありません。
マイホームの基礎にひび割れを見つけると、多くの人は「欠陥住宅ではないか?」と大きな不安を感じるものです。
しかし、ひび割れには問題のないものと、注意が必要なものがあります。
ここでは、基礎のひび割れの原因と種類、そして一条工務店の対策について解説します。
問題のないひび割れ(ヘアークラック)
基礎の表面に髪の毛ほどの細さ(幅0.3mm以下、深さ数mm程度)で入るひび割れは、「ヘアークラック」と呼ばれます。
これは、コンクリートが乾燥・収縮する過程で発生する、いわばコンクリートの「生理現象」のようなものです。
特に、コンクリートを打設した後の初期段階で発生しやすく、構造上の強度には全く影響を与えません。
一条工務店の基礎でも、こうしたヘアークラックが見られることはありますが、これは施工不良や欠陥ではなく、コンクリートの性質上避けられないものです。
基本的には放置しておいても問題ありませんが、気になる場合は担当者に相談すれば、補修材で埋めてもらうことも可能です。
重要なのは、ヘアークラックと構造上問題のあるクラックを見分けることです。
注意が必要なひび割れ(構造クラック)
一方で、以下のような特徴を持つひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、注意が必要です。
- ひび割れの幅が0.3mm以上ある
- ひび割れが基礎を貫通しているように見える
- ひび割れから水が染み出している、または白い粉(エフロレッセンス)が噴き出している
- ひび割れが時間とともに広がっている
- 水平や斜め方向に大きなひび割れが入っている
これらのクラックは、設計上の問題、施工不良、あるいは予期せぬ地盤沈下などによって、基礎の構造耐力に影響を及ぼしている可能性があります。
このようなひび割れを発見した場合は、速やかに一条工務店のアフターサービスに連絡し、専門家による点検を依頼する必要があります。
一条工務店のひび割れ対策
一条工務店では、構造クラックの発生を未然に防ぐため、様々な対策を講じています。
- 適切な養生: コンクリートは、打設後の急激な乾燥によって収縮し、ひび割れやすくなります。そのため、特に夏場などはシートで覆うなどして、コンクリートが適切な速度で硬化するように「養生」を徹底しています。
- 誘発目地の設置: 広い面積のコンクリートを打設する際には、あらかじめひび割れが起こりやすい箇所に溝(目地)を設けておくことがあります。これにより、収縮によるひずみをその目地部分に集中させ、他の場所に無秩序なひび割れが発生するのを防ぎます。
- 品質管理の徹底: 強固な配筋や適切なコンクリートの配合、正確な施工といった、これまで述べてきた基本的な品質管理の徹底が、結果的に構造クラックのリスクを低減させる最も有効な対策となります。
万が一、引き渡し後に構造上の問題となるひび割れが発見された場合でも、一条工務店には長期保証制度があるため、規定に基づいて適切な補修対応が行われます。
ひび割れを見つけても慌てず、まずはその状態をよく観察し、必要であれば専門家に相談することが大切です。
シロアリ対策はどのように行うか
日本の木造住宅にとって、最大の天敵の一つがシロアリです。
シロアリは土の中から建物に侵入し、土台や柱といった構造上重要な木材を食い荒らし、家の耐久性や耐震性を著しく低下させてしまいます。
特に、断熱材とコンクリートが接する「基礎断熱」を採用している場合、シロアリ対策はより一層重要になります。
ここでは、一条工務店が講じている包括的なシロアリ対策について解説します。
ACQ加圧注入処理による防腐・防蟻
一条工務店のシロアリ対策の最大の特徴は、薬剤を表面に散布する一般的な方法ではなく、木材の内部まで薬剤を浸透させる「ACQ加圧注入処理」を標準で採用している点です。
ACQ加圧注入処理とは
これは、巨大な圧力釜の中に、土台や柱などに使う構造材を入れ、圧力をかけながら防腐・防蟻効果のあるACQという薬剤を木材の細胞レベルまで浸透させる処理です。
表面塗布が数年で効果が薄れてしまうのに対し、加圧注入処理された木材は、雨に濡れても薬剤が流れ出しにくく、長期間にわたって効果が持続します。
一条工務店では、地面から1mまでの高さの構造材すべてに、この処理を施しています。
これにより、シロアリが最も侵入しやすい建物の下部が強力にガードされ、万が一シロアリが侵入しても、構造材を食べることができないため、被害の拡大を防ぐことができます。
このACQという薬剤は、銅とアンモニウム化合物を主成分としており、人体への安全性も高く評価されています。
基礎パッキン工法による物理的バリア
基礎と土台の間には、「基礎パッキン」という樹脂製の部材を挟み込む工法が採用されています。
これは、基礎と土台を絶縁することで、地面からの湿気が土台に伝わるのを防ぐと同時に、シロアリが侵入する蟻道(ぎどう)を作りにくくする効果もあります。
また、全周にわたって換気ができるため、床下の乾燥状態を保ち、シロアリが好む湿った環境を作らないという二次的な効果も期待できます。
基礎断熱部分の対策
基礎断熱に使う断熱材(EPS)は、シロアリの食害に遭うことがあります。
そのため、一条工務店では、防蟻成分を含んだ断熱材を使用したり、断熱材の周囲に防蟻薬剤を処理したりといった対策を講じています。
これにより、断熱材を食い破って壁内へ侵入するルートを遮断しています。
このように、一条工務店では、一箇所の対策に頼るのではなく、「加圧注入処理」「基礎パッキン」「薬剤処理」といった複数の防衛ラインを組み合わせることで、シロアリのリスクを最小限に抑えています。
定期的な薬剤散布が不要なため、メンテナンスコストの削減にもつながり、長期にわたる安心を提供してくれるのです。
評判から見る一条工務店の基礎の強みと弱み
これまで、一条工務店の基礎の仕様や性能について技術的な側面から解説してきましたが、実際に家を建てた施主たちは、その基礎をどのように評価しているのでしょうか。
ここでは、インターネット上の口コミやブログ、評判などを参考に、一条工務店の基礎の「強み」と「弱み」について、ユーザー目線で考察します。
評判における「強み」
多くの施主が挙げる一条工務店の基礎の強みは、やはりその圧倒的な「安心感」と「標準仕様のレベルの高さ」です。
- 地震への安心感: 「これだけ頑丈な基礎なら、大きな地震が来ても大丈夫だと思える」「実物大の耐震実験の映像を見て、基礎の重要性を再認識し、一条に決めた」といった声が多く見られます。特に、地震の多い地域に住む人や、防災意識の高い人にとって、この強固な基礎は絶大な信頼を得ています。
- 標準仕様のコストパフォーマンス: 「他社で見積もりを取ったら、一条と同じレベルの基礎にするには高額なオプションが必要だった」「坪単価には基礎の費用も含まれていると考えると、トータルでは高くない」など、標準で高性能な基礎が手に入る点を評価する声も多数あります。追加費用を心配することなく、高い安全性が確保できるのは大きな魅力と捉えられています。
- 丁寧な施工: 「基礎工事の現場を見学したが、鉄筋がびっしりと組まれていて感動した」「現場監督から配筋検査の詳しい説明を受け、品質管理がしっかりしていると感じた」など、実際の施工品質に対する満足度の高さも伺えます。
評判における「弱み」または注意点
一方で、弱みや注意点として挙げられる声もあります。
これらは、基礎自体の性能というよりは、それに付随する制約や特徴に関連するものです。
- 柔軟性の低さ: 「基礎の仕様は決まっているので、特殊な設計や要望には応えてもらえなかった」といった声が見られます。一条工務店は、品質を均一化しコストを抑えるために、仕様をパッケージ化している側面があります。そのため、施主側で基礎の仕様を細かく指定したい場合など、自由度を求める人には不向きと感じられることがあるようです。
- 深基礎などのオプション費用: 「土地の高低差が原因で深基礎になり、予想外の追加費用がかかった」という声も散見されます。土地の条件によっては、高額なオプション費用が発生する可能性があり、この点は契約前にしっかりと確認しておく必要があります。
- 完成後は見えなくなる: これは弱みではありませんが、「完成すると見えなくなってしまう部分だからこそ、工事中にしっかり自分の目で見ておくべきだった」という後悔の声もあります。一条工務店の基礎は信頼性が高いからといって任せきりにせず、可能であれば工事の進捗を確認し、記録を残しておくことが推奨されます。
総じて、一条工務店の基礎に対する評判は非常に高く、その性能と安心感を評価する声が大多数です。ただし、その恩恵を受けるためには、仕様の標準化というトレードオフを受け入れる必要があり、土地の条件によっては追加費用が発生するリスクも理解しておくことが、満足のいく家づくりにつながると言えるでしょう。
最終的には、この記事で解説した一条工務店の基礎の強みと弱みを総合的に判断し、ご自身の家づくりにおける優先順位と照らし合わせて検討することが重要です。
- 一条工務店の基礎はベタ基礎を標準採用している
- 一般的な基準を上回る超ベタ基礎で高い強度を誇る
- コンクリートスラブ厚は約180mmで剛性が高い
- 鉄筋は直径16mmの太いものを200mmピッチで配置
- 他社比較でコンクリートと鉄筋の物量が圧倒的
- 基礎の高さは標準で440mmあり湿気や水害に強い
- 基礎高は床下メンテナンスの容易さにも貢献する
- 基礎断熱を標準採用し家の断熱性と快適性を向上
- 基礎工事の費用は基本的に坪単価に含まれている
- 地盤改良や深基礎が必要な場合は追加費用が発生する
- 高い耐震性はベタ基礎と圧倒的な物量によって実現
- 実物大耐震実験で震度7クラスの揺れにも耐えることを証明
- ヘアークラックは構造上問題ない自然なひび割れ
- 構造クラックには注意が必要で専門家の点検を要する
- ACQ加圧注入処理による防腐防蟻対策が標準仕様
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