
ヘーベルハウスの断熱性能について、あなたはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
もしかしたら、インターネット上の口コミや評判を見て、ヘーベルハウスの断熱は寒いのではないか、あるいは夏は暑いのではないかといった不安を感じているかもしれません。
家は一生に一度の大きな買い物ですから、断熱性能について後悔したくないと考えるのは当然のことです。
現在のヘーベルハウスは高い断熱基準を標準仕様としており、その中心にはALCコンクリート「ヘーベル」と高性能断熱材「ネオマフォーム」の組み合わせがあります。
この記事では、ヘーベルハウスの断熱の基本的な性能から、UA値や断熱等級といった専門的な指標、さらにはZEH仕様による性能向上、冬の寒さや夏の快適性に関する実際のところ、そして断熱リフォームの可能性や窓の重要性に至るまで、あらゆる角度から詳細に解説していきます。
契約後に後悔することがないよう、この記事を通じてヘーベルハウスの断熱に関する正確な知識を身につけ、あなたの家づくりにお役立てください。
性能や費用、気密性に関する疑問にもお答えしながら、総合的な対策や評判の真相に迫ります。
- ヘーベルハウスの断熱材ALCコンクリートとネオマフォームの性能
- 標準仕様の断熱等級やUA値の具体的な基準
- 冬は寒い、夏は暑いという評判の真相と実際の住み心地
- ZEH仕様によるさらなる高みを目指す断熱性能
- 断熱性能を左右する窓の重要性と選択肢
- 既存住宅の断熱リフォームの可能性と方法
- 契約前に確認すべき断熱に関する注意点とポイント
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目次
ヘーベルハウスの断熱の標準仕様と性能
- ALCコンクリートとネオマフォームの役割
- 注目の断熱等級とその基準
- UA値はどのレベルにあるのか
- 冬は寒いという評判は本当か
- 夏の室内は快適に過ごせるか
ALCコンクリートとネオマフォームの役割
ヘーベルハウスの断熱性能を理解する上で、絶対に欠かせないのが主要な構造部材であるALCコンクリート「ヘーベル」と、高性能な断熱材「ネオマフォーム」の存在です。
これら二つの素材がどのように組み合わさり、優れた断熱性を実現しているのか、その役割を詳しく見ていきましょう。
まず、ALCコンクリートは「軽量気泡コンクリート」の略称で、その内部に無数の細かい気泡を含んでいるのが最大の特徴です。
この気泡に含まれる空気が層を作ることで、熱の伝わりを抑制する効果、すなわち断熱効果を発揮します。
コンクリートと聞くと、熱を伝えやすく冷たいイメージを持つかもしれませんが、ALCコンクリートは一般的なコンクリートに比べて約10倍も熱を伝えにくい特性を持っています。
さらに、このALCコンクリートの外壁材の内側に、旭化成が誇る高性能断熱材「ネオマフォーム」を施工することで、断熱性能を飛躍的に高めているのです。
ネオマフォームは、フェノール樹脂を原料とした断熱材で、髪の毛の太さよりも小さいミクロの気泡構造を持っています。
この極めて細かい気泡の中に、熱を伝えにくいガスを閉じ込めることで、世界最高レベルの断熱性能を実現しました。
この「ヘーベル」が持つ断熱性と、「ネオマフォーム」が持つトップクラスの断熱性能、この二重の壁がヘーベルハウスの断熱の基本構造となっています。
外壁で一次的に熱の侵入や流出を抑え、さらに内側の断熱材で強力にシャットアウトするという、非常に合理的な設計と言えるでしょう。
この組み合わせにより、外気温の影響を受けにくい、安定した室内環境の維持に貢献しているわけです。
また、ネオマフォームは燃えにくく、経年劣化が少ないというメリットも兼ね備えており、長期間にわたってその性能を維持できる点も、住宅の資産価値を守る上で重要なポイントとなります。
このように、ヘーベルハウスの断熱は、単一の素材に頼るのではなく、特性の異なる二つの優れた素材を組み合わせる「ダブルシェル構法」によって、その高い性能が支えられているのです。
注目の断熱等級とその基準
住宅の断熱性能を客観的に評価する指標として、「断熱等性能等級」という国の定めた基準が存在します。
これは住宅の省エネルギー性能を示す重要なもので、等級の数字が大きくなるほど、断熱性能が高いことを意味します。
ヘーベルハウスを検討する際には、この断熱等級がどのレベルにあるのかを正しく理解しておくことが極めて重要です。
2022年4月に、それまでの断熱等性能等級4の上に、より高性能な等級5が新設されました。
さらに同年10月には、さらなる上位等級として等級6と等級7が創設され、省エネ住宅への関心がますます高まっています。
こうした状況の中、ヘーベルハウスは時代のニーズを先取りし、断熱性能の強化に積極的に取り組んできました。
特筆すべきは、2023年10月から、ヘーベルハウスの戸建て住宅全商品において「断熱等性能等級6」を標準仕様化したことです。
これは、国が定める省エネ基準の中でもかなり高いレベルであり、これまで上位グレードの仕様でしか実現できなかった性能が、標準で手に入るようになったことを意味します。
断熱等級6は、「暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね30%削減できるレベル」とされており、光熱費の削減に大きく貢献することが期待できます。
この高い断熱等級を実現している背景には、前述したALCコンクリート「ヘーベル」と高性能断熱材「ネオマフォーム」の採用はもちろんのこと、窓の性能向上も大きく寄与しています。
断熱材だけでなく、家全体で熱の出入りをコントロールするという思想が、高い等級の実現につながっているのです。
したがって、現在のヘーベルハウスを選ぶということは、標準で断熱等級6という高いレベルの省エネ住宅を選ぶということになります。
これは、単に冬暖かく夏涼しいという快適性だけでなく、将来にわたって家計の負担を軽減し、地球環境にも配慮した住まいであることを示しています。
家づくりにおいて、この「断熱等級」という客観的なモノサシを理解し、自分の建てる家がどのレベルにあるのかを確認することは、後悔しないための第一歩と言えるでしょう。
UA値はどのレベルにあるのか
断熱等級と並んで、住宅の断熱性能をより具体的に示す数値が「UA値(外皮平均熱貫流率)」です。
UA値とは、建物内外の温度差が1℃あった場合に、建物の外皮(外壁、屋根、床、窓など)1平方メートルあたり、どれくらいの熱が逃げるかを示した数値です。
このUA値は、数値が小さければ小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い住宅ということになります。
断熱等級は地域区分ごとにUA値の基準が定められており、例えば、多くの主要都市が含まれる地域区分「6」において、断熱等級6を満たすためにはUA値が0.46W/㎡・K以下である必要があります。
では、ヘーベルハウスのUA値はどの程度のレベルにあるのでしょうか。
前述の通り、ヘーベルハウスは標準仕様で断熱等級6をクリアしています。
これは、すなわちUA値が0.46以下であることを意味します。
実際に、ヘーベルハウスが公表しているモデルプランのUA値を見ると、多くの場合でこの基準値をさらに下回る、より高性能な数値を示しています。
例えば、公式ウェブサイトで紹介されているプランでは、UA値が0.40や0.38といった、基準よりもさらに優れた性能を達成している例も見受けられます。
重要なのは、UA値は個別のプランの形状や窓の大きさ、数によって変動するということです。
総二階建てのようなシンプルな形状の家はUA値が良くなる傾向があり、凹凸の多い複雑なデザインの家は数値が少し悪化する可能性があります。
そのため、カタログ上のモデルプランの数値を鵜呑みにするのではなく、自分が検討している具体的な間取りで計算されたUA値を確認することが不可欠です。
ヘーベルハウスと契約を進める際には、必ず設計段階で自邸のUA値がいくつになるのかを質問し、書面で提示してもらうようにしましょう。
このUA値を把握することで、家の断熱性能を客観的に理解し、他のハウスメーカーの住宅と比較検討する際の有力な材料とすることができます。
UA値という具体的な数値を知ることは、感覚的な「暖かそう」といったイメージだけでなく、科学的根拠に基づいた家づくりを進める上で、非常に大切なプロセスなのです。
冬は寒いという評判は本当か
ヘーベルハウスを検討する上で、多くの人が気にする点の一つに「冬は寒いのではないか」という評判があります。
特に、インターネットの口コミサイトなどでは、実際に住んでいる人からの「寒い」という声が散見されることもあり、不安に感じる方も少なくないでしょう。
この評判の真相は一体どうなっているのでしょうか。
まず、この「寒い」という評判が生まれた背景には、いくつかの要因が考えられます。
一つは、過去のヘーベルハウスの仕様です。
現在の断熱等級6が標準となる以前の、古い仕様のヘーベルハウスでは、断熱性能が今ほど高くなかったことは事実です。
特に、窓の断熱性能が現在よりも劣っていたため、窓からの冷気(コールドドラフト)を感じやすかった可能性があります。
昔の仕様の住宅に関する口コミが、現在のヘーベルハウスの評価として一人歩きしてしまっているケースは十分に考えられます。
もう一つの大きな要因は、家の断熱性能において「窓」が果たす役割の大きさです。
熱は、壁よりも窓から出入りする割合が非常に大きいのです。
冬の暖房熱の約6割が窓から逃げ、夏の冷房中に外から入ってくる熱の約7割が窓からであると言われています。
つまり、いくら壁の断熱性能(ALC+ネオマフォーム)が高くても、窓の性能が低ければ、そこが弱点となって寒さを感じてしまうのです。
標準仕様の窓でも高い性能を持っていますが、より寒さが厳しい地域や、寒さが苦手な方は、オプションでさらに高性能なトリプルガラスの樹脂サッシなどを採用することで、体感的な寒さを大幅に軽減することができます。
また、気密性の問題も関係してきます。
ヘーベルハウスは鉄骨構造のため、木造住宅に比べて気密性を確保しにくいという側面が指摘されることがあります。
気密性が低いと、隙間風が入り込み、足元がスースーするといった寒さを感じることがあります。
ただし、この点についてもヘーベルハウスは継続的な改善を重ねており、現在の住宅では高いレベルの気密性を確保しています。
結論として、現在の断熱等級6を標準とするヘーベルハウスが、他の高性能住宅と比較して著しく寒いということは考えにくいでしょう。
むしろ、高い断熱性能を持っていると言えます。
もし寒さが不安な場合は、窓のグレードアップを検討したり、全館空調システムの導入を検討したりすることで、より快適な冬の室内環境を実現することが可能です。
夏の室内は快適に過ごせるか
冬の寒さと並んで気になるのが、夏の室内環境です。
特に、ヘーベルハウスの外壁材であるALCコンクリートは、熱を蓄えやすい性質(蓄熱性)があるため、「夏は外が涼しくなっても家の中が暑いままなのではないか」という懸念を持つ方がいます。
この点について、夏の快適性を考えてみましょう。
まず、ALCコンクリートが熱を蓄えやすいというのは事実です。
しかし、これは一概にデメリットとは言えません。
日中に受けた太陽の熱をゆっくりと蓄え、夜間にゆっくりと放出するという性質は、急激な室温の上昇を抑える効果があるからです。
例えば、金属サイディングのような軽い外壁材は、直射日光を受けるとすぐに表面温度が上がり、その熱が室内に伝わりやすくなります。
一方で、ALCコンクリートは熱容量が大きいため、じわじわとしか温度が上がらず、室内の温度上昇を緩やかにしてくれるのです。
もちろん、これは断熱材であるネオマフォームが内側で熱の伝達をしっかりブロックしていることが大前提です。
夏の快適性を左右する最大のポイントは、冬と同様に「窓」と「日射遮蔽」です。
夏に室温が上昇する最大の原因は、窓から侵入する直射日光です。
ヘーベルハウスでは、Low-E複層ガラスが標準的に採用されており、これによって太陽の熱(赤外線)を大幅にカットすることができます。
さらに重要なのが、物理的に日差しを遮る工夫、つまり日射遮蔽です。
ヘーベルハウスが得意とする深い軒(のき)や庇(ひさし)は、夏の高い位置にある太陽の光を効果的に遮り、室内に直射日光が入るのを防ぎます。
これにより、窓ガラス自体が熱くなるのを防ぎ、室温上昇を根本から抑制することができるのです。
逆に、軒や庇が十分にないデザインの家では、たとえ窓の性能が高くても、日射の影響を大きく受けてしまい、夏場のエアコン負荷が増大してしまいます。
また、夜間の過ごし方にも工夫があります。
日中にALCが蓄えた熱は、夜になると外気へ放出され始めます。
この時、窓を開けて効率的に換気を行うことで、日中の熱を排出し、涼しい外気を取り込むことができます。
適切な日射遮蔽と換気計画を組み合わせることで、ALCの蓄熱性をむしろメリットとして活かし、夏の室内を快適に保つことが可能になるのです。
設計段階で、軒の出や窓の位置についてしっかりと計画することが、夏の快適性を実現する鍵となります。
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ヘーベルハウスの断熱で後悔しないための知識
- ZEH仕様でさらに性能を高める
- 重要な窓の断熱性能について
- 断熱リフォームで性能は向上できるか
- 契約前に知っておきたい注意点
- まとめ:ヘーベルハウスの断熱を理解し快適な家づくりを
ZEH仕様でさらに性能を高める
ヘーベルハウスの標準仕様である断熱等級6でも十分に高い性能を持っていますが、さらにその上を目指したい、より環境性能と経済性に優れた住まいを実現したいと考える方には「ZEH(ゼッチ)」仕様という選択肢があります。
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。
これは、住まいの断熱性能や省エネ性能を大幅に向上させるとともに、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことにより、年間の一次エネルギー消費量の収支を「ゼロ」以下にすることを目指した住宅のことを指します。
ZEHを実現するためには、大きく分けて三つの要素が必要となります。
- 強化された断熱性能
- 高性能な省エネ設備
- エネルギーを創出する創エネ設備
まず、断熱性能については、地域ごとに定められたZEH基準のUA値をクリアする必要があります。
ヘーベルハウスの標準仕様は断熱等級6(UA値0.46以下)ですが、ZEH基準はさらに厳しく、例えば6地域ではUA値0.60以下が求められます。
現在のヘーベルハウスは標準でこの基準をクリアしているため、断熱性能に関しては基本的にZEHに対応できるポテンシャルを持っています。
次に、省エネ設備です。
これには、エネルギー消費の大きい給湯器や空調設備、照明などが含まれます。
ZEH仕様では、エコキュートのような高効率な給湯器や、省エネ性能の高いエアコン、そして全ての照明にLEDを採用することが求められます。
そして三つ目が、太陽光発電システムなどの創エネ設備です。
自宅で消費するエネルギーを自宅で創り出すことで、エネルギー収支をゼロに近づけます。
ヘーベルハウスでZEH仕様を選択するということは、標準の高い断熱性能をベースに、さらに省エネ・創エネの設備を充実させることを意味します。
これにより、月々の光熱費を大幅に削減できるだけでなく、災害などで停電した際にも太陽光発電によって電気が使えるという安心感も得られます。
また、ZEH仕様の住宅は国からの補助金制度の対象となる場合も多く、初期投資の負担を軽減できる可能性もあります。
将来的なエネルギー価格の上昇リスクに備えるという意味でも、ZEH仕様は非常に賢い選択と言えるでしょう。
断熱性能だけでなく、エネルギー収支という視点から家づくりを考えることで、より満足度の高い、後悔のない住まいを実現することができます。
重要な窓の断熱性能について
これまでも繰り返し触れてきましたが、住宅の断熱性能を考える上で「窓」の存在は極めて重要です。
なぜなら、家全体で最も熱の出入りが激しい場所が、何を隠そう窓だからです。
ヘーベルハウスの強固な壁(ALC+ネオマフォーム)の性能を最大限に活かすも殺すも、窓の選択にかかっていると言っても過言ではありません。
窓の断熱性能は、主に「サッシ」と「ガラス」の二つの要素によって決まります。
まずサッシについて見ていきましょう。
サッシの素材には、主にアルミ、樹脂、そして両者を組み合わせたアルミ樹脂複合の三種類があります。
アルミは丈夫で安価ですが、熱を非常に伝えやすいという致命的な欠点があります。
一方、樹脂は熱を伝えにくく、断熱性能に優れています。
ヘーベルハウスでは、標準仕様としてアルミ樹脂複合サッシを採用していることが多いです。
これは、室外側に耐久性の高いアルミを、室内側に断熱性の高い樹脂を使うことで、両者の長所を両立させようというものです。
しかし、より高い断熱性能を求めるのであれば、オプションでオール樹脂サッシを選択することをおすすめします。
次にガラスです。
現在では、2枚のガラスの間に空気層を設けた「複層ガラス(ペアガラス)」が一般的です。
ヘーベルハウスの標準仕様では、この複層ガラスに特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」が採用されています。
このLow-E膜が、夏の日射熱を反射し、冬の室内の暖かさを外に逃がさない働きをしてくれます。
さらに上の性能を求めるなら、「トリプルガラス」という選択肢があります。
これは、3枚のガラスで2層の空気層(またはアルゴンガス層)を作るもので、複層ガラスを大きく上回る断熱性能を発揮します。
特に、冬の寒さが厳しい地域や、大きな窓を設置したいけれど寒さが心配という場合には、トリプルガラスの採用が絶大な効果を発揮します。
窓は、一度設置してしまうと簡単に交換できるものではありません。
初期投資は多少かさんでも、長い目で見れば光熱費の削減や快適性の向上によって、十分に元が取れる投資と言えます。
ヘーベルハウスを建てる際には、壁の性能だけに満足するのではなく、ぜひ窓の仕様にもこだわり、自分の暮らしに最適なグレードを選択するようにしてください。
断熱リフォームで性能は向上できるか
現在、旧仕様のヘーベルハウスにお住まいの方や、中古のヘーベルハウスの購入を検討している方にとって、断熱性能を後から向上させる「断熱リフォーム」が可能かどうかは、非常に気になるポイントだと思います。
結論から言えば、ヘーベルハウスの断熱リフォームは可能であり、それによって住まいの快適性を大きく向上させることができます。
断熱リフォームには、いくつかの方法があります。
最も効果的で、多くのケースで採用されるのが「窓の交換」または「内窓の設置」です。
前述の通り、住宅の断熱上の弱点は窓にあることが多いからです。
古い単板ガラスのアルミサッシを使っている場合、これを最新のLow-E複層ガラスやトリプルガラスの樹脂サッシに交換するだけで、断熱性能は劇的に改善します。
特に冬場の窓際のヒヤッとした冷気は大幅に軽減され、結露の発生も抑制できます。
窓の交換が大掛かりで難しい場合には、「内窓」を設置するという手軽な方法もあります。
これは、既存の窓の室内側にもう一つ窓を取り付けるもので、既存の窓との間に新たな空気層が生まれることで断熱効果を発揮します。
壁や床を壊す必要がなく、比較的短期間で工事が完了するのも大きなメリットです。
壁や天井の断熱リフォームについては、ヘーベルハウスの構造上、少し考慮が必要です。
外壁のALCパネルはそのままで、室内側から断熱材を付加する方法が一般的です。
しかし、すでにネオマフォームなどの断熱材が入っている場合、その効果を確かめた上で、さらなる強化が必要かを判断することになります。
屋根や天井裏の断熱は比較的施工しやすく、夏場の暑さ対策に高い効果が期待できます。
ヘーベルハウスには、専門のリフォーム部門である「ヘーベリアンセンター」や「旭化成リフォーム」が存在します。
自社の建物の構造を熟知している専門家が相談に乗ってくれるため、断熱リフォームを検討する際には、まず公式の窓口に相談するのが最も安心で確実な方法です。
どのようなリフォームが可能で、どれくらいの費用がかかり、どの程度の効果が見込めるのか、具体的な提案を受けて検討を進めることができます。
古いからと諦める必要はありません。
適切な断熱リフォームを行うことで、最新の住宅に遜色ない快適な住環境を手に入れることは十分に可能なのです。
契約前に知っておきたい注意点
ヘーベルハウスで満足のいく家を建て、断熱性能に関して後悔しないためには、契約前の段階でいくつか注意しておくべき重要なポイントがあります。
夢のマイホーム計画で気分が高揚していると、つい細かい確認を怠りがちですが、この段階でのチェックが将来の快適性を大きく左右します。
第一に、「自分の家の具体的な性能値を確認する」ことです。
営業担当者から「うちは断熱等級6が標準ですから暖かいですよ」と説明されるだけでは不十分です。
前述した通り、UA値は家の形状や窓の配置によって一棟一棟異なります。
必ず、あなたが建てようとしているその家の、具体的な間取りに基づいたUA値の計算結果を書面で提出してもらいましょう。
その数値が、あなたの希望する性能レベルに達しているかを確認することが重要です。
第二に、「窓の仕様を細かく確認する」ことです。
標準仕様の窓がどの製品で、サッシの材質は何か(アルミ樹脂複合か、オール樹脂か)、ガラスの種類は何か(Low-E複層か、トリプルか)、ガラス間のガスは何か(空気か、アルゴンガスか)といった点を、カタログだけでなく設計図や仕様書で一つ一つ確認してください。
そして、もし標準仕様に満足できない場合は、どの程度の費用でアップグレードが可能なのか、複数の選択肢を提示してもらい比較検討することが大切です。
第三の注意点は、「換気システムの種類を確認する」ことです。
現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでいるため、計画的な換気が不可欠です。
換気システムには、熱交換機能があるものとないものがあります。
熱交換機能付きの第一種換気システムであれば、冬場に冷たい外気を室温に近づけてから取り込むため、室温の低下を防ぎ、冷暖房のロスを減らすことができます。
この換気システムの種類も、住まいの快適性や省エネ性に大きく影響するため、どのようなシステムが標準で、どのようなオプションがあるのかを必ず確認しましょう。
これらの点は、いずれも契約書にサインをする前に、最終的な仕様として確定させておくべき項目です。
口約束で済ませるのではなく、仕様書や見積書に明確に記載されていることを自分の目で確かめる。
この一手間を惜しまないことが、ヘーベルハウスの断熱性能を最大限に引き出し、後悔のない家づくりを実現するための鍵となります。
まとめ:ヘーベルハウスの断熱を理解し快適な家づくりを
ここまで、ヘーベルハウスの断熱について、その基本的な構造から性能指標、季節ごとの快適性、そして後悔しないための知識まで、多角的に掘り下げてきました。
この記事を通じて、漠然としたイメージや不確かな評判に惑わされることなく、ヘーベルハウスの断熱性能を正しく理解するための一助となれば幸いです。
最後に、これまでの内容を総括し、快適な家づくりを実現するための要点を改めて確認しましょう。
ヘーベルハウスの断熱の核心は、ALCコンクリート「ヘーベル」と高性能断熱材「ネオマフォーム」の組み合わせにあります。
この堅牢な二重構造が、高い基本性能を支えています。
そして、現在のヘーベルハウスは、国が定める省エネ基準の中でも上位にあたる「断熱等性能等級6」を標準仕様としており、客観的な指標においても高い性能が保証されています。
冬の寒さや夏の暑さといった体感的な快適性は、壁の性能だけでなく、窓の性能、日射遮蔽の工夫、そして換気システムの三位一体で決まります。
特に、家全体の断熱性能を左右する最大のキーパーツは「窓」であることを、決して忘れてはなりません。
標準仕様でも高いレベルにありますが、ご自身のライフスタイルや建築地の気候に合わせて、窓のグレードを適切に選択することが、満足度を大きく高めることにつながります。
また、より高い省エネ性と経済性を求めるならばZEH仕様が、そして既存の住宅の性能を向上させたい場合には断熱リフォームという有効な選択肢が存在します。
重要なのは、カタログスペックや平均的な数値を鵜呑みにせず、ご自身が建てる家の「個別」の性能値を、UA値などの具体的な数値で確認し、納得した上で契約に進むことです。
ヘーベルハウスの断熱は、その特性を正しく理解し、適切に設計・選択することで、一年を通して快適で経済的な暮らしを実現する大きなポテンシャルを秘めています。
この記事で得た知識を武器に、ぜひ後悔のない、理想の家づくりを実現してください。
- ヘーベルハウスの断熱はALCコンクリートとネオマフォームが基本
- 現在の標準仕様は断熱等性能等級6の高いレベル
- UA値は0.46以下が基準だが個別プランでの確認が必須
- 「冬寒い」説は旧仕様や窓性能が原因の可能性が高い
- 夏の快適性はALCの蓄熱性と日射遮蔽でコントロール可能
- 断熱の最大の鍵は壁でなく窓の性能が握っている
- 標準はアルミ樹脂複合サッシだがオール樹脂サッシも選択可能
- ガラスはLow-E複層が基本でトリプルガラスも選べる
- さらに上を目指すならZEH仕様で省エネと創エネを両立
- 既存住宅も窓交換や内窓設置で断熱リフォームが可能
- リフォーム相談は専門のヘーベリアンセンターが安心
- 契約前にはUA値と窓仕様、換気システムの確認を徹底する
- 具体的な性能値は書面で提出してもらうことが重要
- 評判や口コミに惑わされず客観的な数値で判断する
- ヘーベルハウスの断熱性能を正しく理解し快適な家を建てる
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